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japanese.china.org.cn |25. 10. 2024 |
西部「最強ブレーン」の能力は?
四川天府新区興隆湖南岸の林の中で、国家スパコン成都センターのスパコンルームが一際目立つ。ガラスキャビネットが藍色のカーテンウォールに囲まれた立方体で巨大な「シリコンキューブ」をつくり、その中にいるとSF映画のシーンに放り込まれたような感覚に陥る。
国家スパコン成都センター(ドローンで10月16日に撮影)。新華社記者・劉坤撮影
「シリコンキューブ」の中では、「最強ブレーン」のスパコンが最大1エクサフロップスの計算速度で、昼夜を分かたず稼働する。西部初の国家スパコンセンターは、科学技術イノベーションへの促進効果が顕著だ。
国家スパコン成都センターの科学研究者が2023年2月14日、機械室の設備の巡回点検を行った。新華社記者・劉坤撮影
説明によると、2021年に完成し稼働開始した高標高宇宙線観測ステーション「拉索(LHAASO)」は毎年、10PB級の大量の科学データを生成する。これは大規模な計算クラスタによる分析と処理を必要とする。四川稲城のデータをスパコンで支えるため、国家スパコン成都センターは中国科学院高エネルギー物理研究所や中国電信などと協力し、中国電信大科創装置+都市圏ネットワークに地域を跨ぐ10Gデータ専用ラインを提供した。わずか40分で1.6TBのデータを2000キロ離れた成都スパコンセンターに伝送し、高速伝送の検証を終えた。その後、一部データが同センターで計算・処理され、結果をスムーズに高エネルギー研究所に伝送した。
国家スパコン成都センターは科学研究分野で重要な力を発揮するだけでなく、業界応用面でも大きな潜在力を示している。
国家スパコン成都センターの科学研究者が2023年2月14日、機械室の設備の巡回点検を行った。新華社記者・劉坤撮影
成都暁多科技有限公司は同センターの計算力資源を利用し、新世代大規模言語モデルスマートカスタマーサービスロボットの研究開発に成功した。このロボットはユーザーの感情と需要を正確に識別し、製品の更新・アップグレードを実現し、応答の効率と知識バンクの管理効率を高める。同社の科学技術製品専門家の田曲氏は、「応用と実践を経て、新世代AIカスタマーサービスロボットの識別と応答の効率が5−10%上がり、有効応答率が10−15%上がった」と説明した。
国家スパコン成都センターの王建波常務副主任は、「スパコンにより多元的な製品エコシステムを構築し、AIアルゴリズム企業と共同で基礎レベル、プラットフォームレベル、応用レベルのエコシステム製品をリリースした。大規模言語モデルのECや自動車などの分野での導入を促進している」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2024年10月25日