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japanese.china.org.cn |17. 12. 2024 |
<粵港澳大湾区の新しいチャンス>多分野の融合的な発展
段非平=文
今年の中国輸出入商品交易会(広州交易会)で、マカオ出身の弁護士鄺玉球さんは出展企業にポルトガル語の法律コンサルティングサービスを提供した。彼女はGBA内の大陸部9都市での業務展開を初めて許可された4人の香港・マカオ弁護士の1人であるだけでなく、広州交易会に渉外法律サービスを提供した最初のGBA弁護士でもある。
朝はマカオから広州に出勤し、夕方に広州からマカオに戻る。インフラなどのハード面の連結性が向上したことにより、鄺さんはGBA内で毎日通勤できている。規則や制度などのソフト面の相互適用により、彼女のキャリアプランの選択肢もますます増えた。
鄺さんが経験したことは、広東・香港・マカオ3地域における規則の相互適用(5)の縮図にすぎない。規則や制度の実施により、GBA内の人材・資金などの流動が絶えず加速され、大陸部と香港・マカオ地区の融合的な発展も次第に新たな段階に入った。
プロ人材に政策の支援を
マカオ人の譚暁紅さんも最初のGBA弁護士の1人だ。「これまでの業務対象は現地に限られていましたが、GBA全体の人口が8000万人以上になったいま、事業展開の見通しはさらに明るくなりました。一連の政策上の朗報は、GBA内のプロフェッショナル人材にさらなる発展のチャンスをもたらしました」
規則や制度の相互適用がもたらした発展チャンスのほか、譚さんは大陸部の社会発展における多くの「ハイライト(6)」も実感した。大陸部の「スマート法廷」によってGBA弁護士は香港・マカオにいても大陸部の訴訟に対応できるようになり、科学技術の有効活用で裁判所の機能がますます増えている。「大陸部の裁判所はオンライン法廷やオンライン送達によって法廷審問を非常に効率的に完了することができるので、普及する価値が大いにあります。大陸部で学んだ経験をマカオに持ち帰り、マカオの人々が国の発展の大局に溶け込むことを促進し、大陸部の同胞と共にGBAを建設したいです」と譚さんは期待を込めた。
教育融合を革新的に推進
香港人の呉佳佳さんは今年9月、広州曁南大学香港・マカオ子弟学校の高校2年生になった。真新しい学生証を手にした彼女は不安より期待が大きかった。
ここ数年、広州市、東莞市、仏山市など多くの地域で香港・マカオ子弟学校が続々と設立されており、香港・マカオ出身の学生にとって、GBAの大陸部都市はすでに人気の進学先だ。
佳佳さんの母親は同校を知ったきっかけをこう話す。「学校のカリキュラムが香港にマッチしていると聞いて、娘と一緒に見学しました。学校のハード面もソフト面も予想以上に良くて、私たちはすぐ『ファン』になりました。そして運営面は大陸部の特色を取り込んでいて、学校での生徒の状況をより良く把握し、コミュニケーションを円滑にするために、各クラスに教師と保護者の連絡用ウイーチャットグループがあったりするので、とても安心できます」
同校が今年4月に大陸部初の香港中等教育修了試験(HKDSE)の試験会場になったことも親子にとってうれしいことだった。「今まで試験会場は香港にしかなく、大陸部の学校に在学中の学生は香港に戻るしかなかったのですが、今年から行き来する必要がなくなりました。寮でゆっくり朝食を食べてから少し歩けば試験会場に着くので、非常に便利です」と同校の譚日旭校長は話す。
佳佳さんの担任の林海麗さんは香港出身で、30年近い指導経験を持つ。「もう広州での生活にすっかり慣れました。大陸部の教員と一緒に仕事をすることで、私の視野もさらに広がったと思います」。最近、林さんは広州で不動産の購入を検討中だ。GBAでの仕事や生活は未知数に満ちているが、自分と家族の未来に無限の可能性が秘められているとも感じるからだ。
不安のない老後生活を
珠海市小横琴コミュニティーに住むマカオ出身の康さんは同コミュニティーにある高齢者介護サービスステーションの高齢者食堂で昼食を取る。広東省とマカオ特別行政区が同省珠海市横琴島に設けた協力エリア「横琴粤澳深度協力区」では、常住する香港・マカオの高齢者は地元の高齢者と同じサービスを受けるという政策があるため、康さんはわずか3元で肉料理2品、野菜料理1品にスープがついた健康的なランチセットを楽しむことができる。同じくマカオ出身の何さんは2022年に妻と横琴に引っ越したが、足が不自由なため、外出を控えて近所付き合いも少なかった。この状況を受け、横琴総合サービスセンターのスタッフは何さんにリハビリテーション・理学療法などの在宅訪問サービスを提供しているだけでなく、定期的な訪問を通じて、子どもと離れて暮らす何さん夫妻の孤独も癒やしている。
珠海市の横琴だけでなく、広州市も中国初のクロスボーダー(7)高齢者介護サービス標準化の試行運用を展開し、GBA高齢者介護サービスの協同発展を積極的に模索している。深圳市の新家園香港・マカオ高齢者大陸部介護サービスセンターは広東・香港・マカオの高齢者介護政策解説やクロスボーダー高齢者介護サポートのワンストップソリューションなどのサービスを提供することによって、香港・マカオの高齢者に大陸部で不安のない老後を送らせている。
「GBAの大陸部都市と香港・マカオの両特別行政区は高齢者介護サービスの分野でそれぞれ長所があり、双方の交流・協力によってそれぞれの優位性を相互補完し、GBAの高齢者により良いサービスを提供できます」。広東省民政庁の責任者の一人によると、広東省は今後、珠江デルタ9都市に「GBA高齢者介護サービス」の試行的展開を奨励し、GBA高齢者介護サービスの一体化、専門化、標準化をさらに推進する見込みだ。
この5年間、広東・香港・マカオ3地域の規則・制度の相互適用はすでに政務、金融、科学技術イノベーション、民生などの各分野に及んでいる。規則・制度の相互適用の推進に伴って融合的に発展するGBAは必ずより大きな活力をみなぎらせるだろう。
「人民中国インターネット版 」より2024年12月17日