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japanese.china.org.cn |12. 11. 2025

「科学技術革新の高地」合肥 新たな成長エンジンを育み、世界との連携を深化

タグ: 科学技術
中国網日本語版  |  2025-11-12

『国民経済・社会発展第15次五カ年計画の策定に関する中共中央の建議』(「十五五」計画建議)においては、「地域の実情に応じて新たな質の生産力を発展させる」こと及び「新たな成長エンジンの育成を加速する」ことが組み入れられている。革新発展の先駆けである安徽省は、積極的に未来産業の発展の主導権を掌握しようとしている。その省都・合肥は著名な「科学技術革新の高地」であり、同戦略を具現化している。

安徽フォークリフト集団 革新が牽引する世界競争力

安徽フォークリフト集団は、安徽省が全額出資する国有企業である。産業車両、知能装備、スマート物流システム・インテリジェント物流機器及びその中核部品の研究開発、製造、販売、サービスを事業の柱とし、主要経営指標は34年連続で国内業界首位を維持しており、世界の30あまりの国と地域において市場占有率第1位を達成している。1958年創業のこの老舗国有企業は、革新を通じて世界の産業車両分野における競争構造の再構築を進めている。

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「2025年中国企業世界イメージフォーラム」において、同集団の楊安国董事長は次のように説明した。集団は研究開発を中核的推進力と位置付け、売上高に対する研究開発投資比率が3年連続で5%を超え、その年間平均伸び率は20%を上回っている。37の省レベル以上に認定された研究開発プラットフォーム及び海外革新センターを基盤に、新製品の開発サイクルは著しく短縮され、2024年の新製品生産額比率は72%に達した。中核技術領域では、国際基準12項目、国家・業界基準116項目の制定を主導あるいは参画し、発明特許500件以上を保有するに至っており、「技術の追随者」から「基準の制定者」への飛躍的転換を実現した。知能物流事業においては、8大カテゴリー100型式以上を網羅する製品体系を構築し、2025年の事業規模は前年比100%超の大幅な成長を記録し、強力な第二の成長エンジンとなっている。

集団は新たな成長エンジンの育成という要求を堅持し、180以上の国と地域の市場における深耕のため、現地化戦略を推進している。「グローバル開発+ローカル生産+リージョナルサービスドイツ研究開発センター」という三位一体のグローバル体系を通じて、中核技術の海外進出と現地運営の深遠な融合を達成した。海外拠点における現地従業員の比率は既に30%を超えている。2年ごとに開催される世界代理店大会は、中国の知能製造能力と責任ある姿勢を示す重要な窓口である。新エネルギー製品の比率が60%を突破したグリーン変革、華為技術との無人運転技術共同開発、「天枢研究所」による搬送ロボットのフロンティア研究への注力を通じ、安徽フォークリフト集団は新たな質的生産力を効果的に世界市場における競争力へと転換している。

合翼航空 革新の深化で低空経済をけん引

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合肥市の駱崗公園の上空においては、純白の垂直離着陸機EH216-Sが軽快に垂直離着陸し、ホバリングや旋回といった高精度動作を自律的に完遂する光景が、日常的な試験飛行シーンとなっている。これは、中国の低空経済が有人化時代へと加速度的に突入していることを示す象徴である。

「十五五」計画において「戦略的新興産業集積」の一つとして重点育成が掲げられた低空経済は、発展の好機を迎えている。合肥市の国有資本と億航知能の合弁により設立された合翼航空は、技術革新を原動力としてこの変革を主導している。設立から僅か1年後の2025年3月、同社は世界初の有人自動運転航空機運航資格証明(OC)を取得し、中国における低空輸送の商業化という新たな章を開いた。加えて、中国民用航空局からは世界初の電動垂直離着陸(eVTOL)有人自動運転航空機の型式証明(TC)、生産許可証(PC)、標準耐空証明(AC)が付与されている。

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合肥合翼航空有限公司の彭思璇副総経理は次のように説明している。「EH216-Sには従来の操縦桿付きコックピットが存在しない。全ての飛行指令は地上管制センターによって行われる」。この航空機は核心部品の98%を国産化に成功しており、世界五大州の21カ国で累計8万回を超える安全飛行を実現している。その用途は有人交通、空中観光、医療緊急対応など多様なシーンに及ぶ。そして、新型機VT-35の投入は航続距離において飛躍的な十倍の延長を達成し、「都市内エアタクシー」から「都市間シャトル機」への段階的な高度化を支えるものである。

国軒高科 動力の支えとグローバルな協働

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合翼航空の協力パートナーである国軒高科は動力電池分野のリーディング企業であり、20年以上にわたる「リン酸鉄リチウム(LFP)」技術の蓄積に基づき、継続的に高比率の研究開発投資を行い、世界をカバーする八つの研究開発センターからなるネットワークを構築している。同社は国際的に認められたバッテリーセルの開発に成功し、また全固体電池分野への進出を通じ、先端技術における画期的なブレークスルーを実現した。この技術的優位性に基づき、同社は動力電池市場の地盤固めを進めると同時に、急成長する大規模エネルギー貯蔵(ESS)市場への展開を図り、さらに低空経済、ヒューマノイドロボットといった新興分野にも積極的に進出し、多様な成長エンジンを育成している。

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グローバルな展開の面では、国軒高科は株主であるフォルクスワーゲングループの強みを活かし、世界四大陸に及ぶ事業版図を形成している。欧州、アメリカ、アジア等に約20の生産拠点を建設し、深い現地化戦略を推進している。同社は世界的にも希少な垂直統合能力の構築に注力し、海外中核地域において原材料調達、セル製造から電池回収に至るローカライズされた完全バリューチェーンを構築している。このモデルは、サプライチェーンの安全性と資源利用効率を高めるだけでなく、「協働による海外進出(協同出海)」を通じて産業チェーン上のパートナー企業の共同発展を促し、国際競争力と全要素生産性(TFP)の顕著な向上に貢献している。

同時に、グローバル展開にあたっては、アメリカ圏1500人、欧州圏1300人を含む3000人以上の現地専門家チームを構築しており、スタンフォード大学やMITなどトップクラスの学術機関との連携により、年率30〜40%成長が見込まれるESS市場や低空経済といった新興分野を共同開拓している。これにより、製造拠点の最適配置、政策対応、産業連携、人材育成を統合した全方位の競争力基盤を構築しつつある。

合肥という開放を堅持し、革新を奨励する活気あふれる地で、技術突破によって新たな成長エンジンを育み、グローバルな視野でサプライチェーンの協業を深化させることで、国家戦略の青写真を質の高い発展に転じる新たな発展ストーリーを紡ぐ企業も多い。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年11月12日