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japanese.china.org.cn |11. 12. 2025

世界が中国の貿易黒字を正しく理解する重要性

タグ: 貿易黒字 輸出 サプライチェーン 国際分業
中国網日本語版  |  2025-12-11

中国の物品貿易黒字の初となる1兆ドル超えが、国際世論の高い関心を集めている。一部の西側メディアは報道において「史上最高」というセンセーションを意図的に強調し、中国の黒字に「ダンピング」「過剰生産能力」といった虚偽のレッテルを貼り付け、経済現象を地政学的リスクと言い換え、正常な国際分業を構造的脅威に歪めようとしている。これは中国の発展モデルと国際分業構造に対する誤解であり、非合理的な焦りと偏見の現れだ。

中国の黒字を正しく理解するには、経済法則そのものに立ち返り、国際分業協力の原理を直視せねばならない。黒字は「他国への圧迫」ではなく、中国の黒字は各国が協力して共に発展した結果だ。中国の輸出の相当部分が「世界で生産、中国で組立、世界へ供給」という分業の一環を担っており、「中国製」と表示された製品には欧米の設計、日韓の部品、世界各国の原材料が含まれている。中国税関総署のデータによると、2025年1~11月期の外資系企業の貿易額は中国貿易総額の29.3%を占め、国際分業と密接に関連する加工貿易の貿易額は同18.8%を占める。電子製品や自動車などグローバル化が進んだ分野ではこの割合がさらに上がり、中国の黒字が他国の生産とサービスをけん引していることが分かる。

輸出入双方が貿易から利益を得ることは、国際貿易が成立するための基本条件だ。中国の黒字は中国の製造能力向上に由来し、これは多国籍企業の合理的な選択でもある。実際に中国はサービス貿易では赤字を計上し、農産物および鉱物資源も輸入が輸出を上回っている。黒字の数字の背後にあるのは、高度に絡み合った国際産業ネットワークであり、特定国による一方的な「他国のスペースへの圧迫」というゼロサムゲームではない。

中国の輸出の強靭性は、貿易相手国が世界市場の不確実性の中で、中国を「より安定した信頼できる選択肢」と見なすことに起因する。一部の西側世論が中国の黒字に強い不快感を示す背景には、「黒字そのもの」への懸念ではなく、「誰が黒字を計上しているか」に対する違和感が大きい。彼らは少数の先進国が国際分業の利益を享受するのを容認しながら、発展途上の大国が自らの努力で獲得した比較優位を認めようとせず、自国における産業空洞化、金融の過度な拡張、社会の分断といった構造問題の現実に向き合おうとしない。こうして黒字は、国際分業の特定段階における自然な結果ではなく、「脅威の象徴」として捏造されたのだ。

中国の黒字は中国が「独占」するものではなく、実際に世界に利益をもたらしている。イノベーション面では、整った工業体系と極めて高いサプライチェーン連携効率により、グローバルな革新主体が中国で創意・設計から試作・試験生産・量産までの全工程をスムーズに完結できる。産業面では、地政学的緊張など複数の不確実性が存在する中で、中国を中核拠点とする産業・供給チェーンが強靭性と回復力を維持し、世界の医薬品、生活必需品、重要中間財の持続的供給を保証し、世界的な供給ショックを軽減した。消費面では、大量の中国製日用消費財、家電製品、電子機器が、比較的高品質かつ入手可能な価格で各国の家庭に浸透。世界中の低・中所得層の実質購買力を向上させ、近年の複数回にわたるインフレの衝撃を緩和してきた。

貿易黒字1兆ドル超えは、中国のグローバル化への深い参画の結果であり、世界を脅かす影ではない。経済法則そのものに立ち返り、比較優位と市場論理を尊重し、グローバルガバナンス改革による不均衡への共同対処が実現されれば、中国の今日の黒字は、世界経済が低迷を脱し質の高い成長へ向かう重要な起動力となり得るのだ。

「中国網日本語版(チャイナネット)」2025年12月11日