北京五輪・パラリンピック期間中、世界各地から北京を訪れた外国人らは、つぎつぎに大柵欄の商店街を訪れ、中国伝統の老舗の魅力を満喫している。
▽「中国シルクの太極拳服が欲しい」
華やかな賑わい振りを見せる大柵欄のなかでも、ある西洋バロック風の建築物がひときわ目を引く。これこそ、世界に名だたるシルク専門店「瑞フ祥」だ。同店の店先では、手に入れたばかりの中国服を着て、記念写真を撮る外国人観光客が少なくない。
「瑞フ祥」の西洋風の趣きがのこる伝統ある店内に一歩入ると、中国ならではの風格、そして歴史が交錯したかのような光景が目に入る。「これが欲しいんです。中国武術をやっている人達はみなこのような服を着ていますから」。スペインからやってきたというこの男性客は、日頃から中国武術に親しんでいるという。彼は一着の純白のシルク製太極拳服を指さしてこのように話し、上手に太極拳の姿勢をとってみせた。
英国からの女性客は、店内に飾られた色とりどりの華やかなシルク生地に魅了されていた。お気に入りの柄の生地を見つけると、そっとなでていた。「このシルク、本当になめらかで、涼しげです。北京はすこし暑いので、こんなシルクなら過ごしやすいでしょうね」。いわく、彼女は既にシルク製チャイナドレスを一着持っているという。「今度は、シルクで違った感じの服が欲しいわ」。
|