2008年は、南宋が杭州(古称「臨安」)に都を定めた870周年にあたる。第1回「南宋文化ウィーク」が10月20日、杭州南宋官窯博物館で盛大に開幕した。今回の文化ウィークでは、南宋の社会を市民に紹介する一連の文化活動が行われる。このうち、沈没船「南海一号」とそれに伴い海から引き揚げられた200数点全てが「水中考古成果展」に出品され、文化ウィーク最大の目玉となる。中国新聞社のウェブサイト「中新網」が伝えた。
海底で800年もの間眠っていた「南海一号」は、今のところ世界で最も古く、船体が最大で、保存状態が最高の遠洋貿易船という。また、古代海上シルクロードの存在を裏付ける唯一の沈没船でもある。
杭州翠園1区に住むカク氏は、喜びを隠し切れない様子で、「『南海一号』が引き上げられた後、ずっと興味があり、これらの貴重な文化財を自分の眼で一目でも見たいと思っていました。間近で鑑賞できるチャンスが訪れた時、飛び上がって喜びました!私は一番に博物館に駆け付け、これらの宝物を観てきました」と語った。
展覧会に出品されている水中文化財は、南宋磁器の技巧の限りが尽くされたものばかりだ。このうち、光が透けるほど薄い青刻花盤(花瓶)、海泥で覆われた大椀、貝殻など海洋生物が付着した金環などは、めったにお目にかかれない貴重な文化財という。杭州南宋官窯博物館の担当者は、「宋代は、中国陶磁器史における第一次最盛期ですが、この時代の磁器で現存するものは極めて少ないのです。『南海一号』引き揚げに伴い発見された水中文化財は、相当な価値を有するだけではなく、南宋文化を象徴するシンボルなのです」とコメントしている。(編集KM)
写真:出品された「南海一号」の水中文化財
「人民網日本語版」 2008年10月21日