北京のネットユーザー・ハンドルネーム「古難全」さんは、ウェブサイト「中国京劇芸術網」で知り合った友人と、週末に一緒に済南市に向かい、「第5回中国京劇芸術祭」の演目「成敗蕭何」を観劇する約束を早くからしていた。インターネットは今や時代のツールとして、京劇というこの伝統的な「国宝」にも新たな息吹を吹き込んでいる。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
「中国京劇芸術網」は第5回京劇芸術フェスティバルが指定する唯一の協力サイトだ。もともと京劇ファンが自ら立ち上げたものだが、主催者側の公認サイトとなり、すでに8年が経った。
同サイトは京劇祭の期間中、各種インタビューのほか、演目の一部などを動画公開しており、現場に駆け付けることのできない京劇ファンの期待に応えている。同サイトの主宰者・劉宇傑さんによると、現在サイト内の掲示板には3万人以上の会員が登録しており、サイトへのアクセスは1日平均70万件以上にも上るという。掲示板の「常連」は、主に文化部門の主管幹部や、京劇俳優、京劇ファンなどだ。
さらに、京劇のひとくさりをダウンロードできるサービスも提供しており、これまでに1億回以上のダウンロードが行われた。多くの京劇俳優が同サイトとの間で書面契約を締結しており、収録された自身の歌唱部分の無償提供を認めている。一部の俳優は中国国内で最も普及しているインスタントメッセンジャー「QQ」を通じ、収録されたばかりの歌唱部分をサイトのスタッフに提供し、すぐさま返ってくる多くの京劇ファンからの反応に耳を傾けているという。
現在、ファンが立ち上げた同様の京劇関連サイトは少なくなく、一部京劇ファンが自身の「お気に入り」の役柄画像を集めたサイトもある。
「人民網日本語版」2008年10月31日 |