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東方の建築物の中の光り輝く真珠・振成楼
発信時間: 2008-11-07 | チャイナネット

振成楼

 

 

福建省永定の客家(はっか)の人たちの土楼の中で、多くは八卦の図(中国古代での自然界・社会・人間世界のあらゆる現象を象徴する記号。「- -」で陽を表し、「-」で陰を表す。このような記号は三本を一組とし、あわせて八種の組み合わせ方があり、それぞれの組み合わせは1つの漢字で名付けをし、つまり乾、坎、艮、震、巽、離、坤、兌という八卦となる)に照らして設計されたものであり、中華民族の伝統的な文化の烙印が深くその中に刻まれている。その最も典型的なものは振成楼である。

 

振成楼は湖坑鎮(町)洪坑村に位置し、1912年に建てられ、敷地面積は5000平方メートル、片側の破風によって梁を支える構造で、内外の二回りに分かれ、楼の中に楼があり、楼の外に楼がある枠組みとなっている。前の入口は「巽卦」で、裏の入口は「乾卦」である。外の一回りは4層からなり、1階に部屋48間があり、1卦に6間がある。1卦に階段1つを設け、1ユニットとする。卦と卦の間にアーチ門で通じ合っている。楼の中に1つの広間、2つの井戸(「八卦」の中の陰陽の両極に暗合する)、3つの入口(つまり正門と両端の側門、八卦の中の天、地、人間という3材を示す意味)と8つのユニットがある。卦と卦の間は防火壁で、1卦に火事が起こっても楼全体に及ぶことはありえない。卦と卦の間にさらに卦門が設けられ、それを閉めると、それ自身で1単位となり、開けると、各単位はすべて通じ合うことができる。いったん盗賊が室内に入ったら、卦のドアを閉めて、かめの中のスッポンを捕らえるように盗賊を捕らえることができる。先祖を祭っている部屋は1つの舞台のようで、台の前に4本の周りの長さ2メートル、高さ約7メートルの大きな石柱があり、舞台の両側の上下二層は30の部屋が裏側の回りを形成しており、二階の回廊に精致な鋳鉄模様の入った手すりがあり、上海から運んできて嵌め込まれたものである。

 

 

振成楼

振成楼

振成楼

 

 

楼全体の施設の配置は蘇州庭園の痕跡もあれば、古代ギリシャの建築物の特色もあり、中国の建築物と西洋の建築物の両方の特徴が備わる不思議な建築芸術品と言える。1995年に、その建物の模型と北京の天壇は中国の南部と北部の円形建築物の代表格として、アメリカのロサンゼルスの世界建築物展覧会に出展され、一大センセーションを巻き起こし、「東方の建築物の中の光り輝く真珠」とたたえられた。

 

永定の人たちはなぜ八卦に照らして土楼を建てるようになったのか?その歴史の根源をさぐって見ると、まず客家の人たちは中国の中央部から移住して来たものであり、中華民族の伝統的文化・思想の影響をきわめて深く受け、そのうえ八卦は中国の伝統文化の中の経典の1つであるため、住居用の二階たて以上の建物を建てる時にそれを活用したことは、条理にかなったものである。その次に、数世代の流離を通じて、生存を求めるため、彼らは自然と社会のさまざまな困難に直面し、八卦は昔から人々に利用されて軍隊を配置し、陣を敷き、敵に抵抗した。安全の視点から出発して、土楼を設計、建造する時に八卦を活用することは、英知に富んだ客家の人たちにとって、別に不思議なことではなくなった。

 

「チャイナネット」2008年11月7日

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