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08年の中国科学の十大発見(5)盗窃されないメール
発信時間: 2008-12-30 | チャイナネット

中国科学技術大学の潘建偉教授率いる研究チームは量子通信の「路上」に「駅」を構築することで、情報の遠距離伝送であっても、盗窃されることのないシステムの開発に成功した。この研究成果は8月28日発行の「ネイチャー」に掲載。

 

発明者の話

国や重要な機関の情報保持については、光ファイバーを通して伝送する際に暗号化が必要であり、パスワードのセキュリティーが情報保持のカギとなっている。だが、現在大量に使用されているセキュリティー手段は実際、決して安全とは言えず、演算能力が十分な大型コンピューターでさえ、パスワードを解読されてしまう可能性がある。

「単光子」を情報キャリアとする量子通信が提供するパスワードは解読されることはなく、セキュリティーは非常に高い。だが実際の操作では、フォトンが衰退するに伴い、「パスワード」のパワーが低下するため、こうした方法での安全有効な距離は約100キロに過ぎない。

私は「量子の絡み」と名づけた資源を利用して、2つの場所に分かれた2つのフォトンに関係を持たせ、それを用いてパスワードを作った。こうした「絡んだ」フォントが増えればそれだけ、生まれるパスワードを多くすることが可能である。10キロの距離の間に「絡み」を確立し、さらに近隣の2つの10キロの間に「連接」を確立する。こうすることで、10キロは20キロに「変化」し、さらに延伸していく。私は将来、インターネットのように、巨大な量子通信ネットが構築されることを願っている。

 

権威筋の評価

雑誌「ネイチャー」編集者――量子通信ではこれまで遠距離伝送は不可能であったため、それを利用したインターネットのような「アースネット」を構築しての情報伝送は仮想に過ぎなかった。この研究は量子通信分野における大きな足かせを除いてくれただけでなく、この分野で新たな研究方向を切り開いてくれた。

 

陳増兵氏 中国科学技術大学教授、合肥微尺度物質化学国家実験室量子物理・量子情報研究員。

 

「チャイナネット」2008年12月30日

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