41年後には、人類の言語の90%が消滅しているという驚くべき予測が発表された。発表したのは詩人としても有名な西南民族大学文学院の羅慶春教授。羅教授は消えゆく言語を保存する「言語博物館」の設立も提起している。「新聞晩報」が伝えた。
▽人口の3%が言語の96%を使用
世界にある約6千種類の言語のうち、少なくとも3千種類が消滅の危機に面している。ユネスコ(国連教育科学文化機関)の代表が2008年国際言語年と第9回国際母語デーに関連して開催されたフォーラムで指摘したところによると、劣勢にある民族の言語が優勢にある民族の言語やインターネット、グローバル化などの衝撃に直面して、消滅の危機に瀕している。
ある統計によると、国連に登録された言語は約6千種類で、世界の人口の97%が使用する言語の種類は言語全体のわずか4%にとどまる。言い換えれば、人口の3%が言語の96%を使用しているということだ。さらに言えば、言語の半分は使用者が1万人に満たず、4分の1は1千人にも満たない。中国には5系統・約130種類の言語があるが、うち19種類は消滅の兆しがみえて活力を失っており、73種類は消滅に向かっているか、消滅の危機にあり、8種類はコミュニケーション機能を完全に喪失している。
▽インターネットが言語の消滅を加速
教育部言語文字情報管理司の王鉄コン副司長は「再生不可能な言語の保護が、生物種の絶滅や地球温暖化と同じように注目を集めている」と話す。
これについて中国民族語言学会の孫宏開名誉会長は「一部の劣勢にある言語の活力が不足し、機能が後退していることの原因として、グローバル経済の一体化、交通、メディアや情報化の発展、民族の移動の加速などが考えられる」と話す。また少数民族の言語が専門の内蒙古大学の呼格吉勒図・副校長は「インターネットの使用が民族言語の消滅を加速する主な要因」との見方を示す。
同じような見方はユネスコのレポートにもみられる。同レポートでは、ハイテクノロジーは人類に便利な生活をもたらしたが、言語の消滅を加速させ、世界の言語・文字の統一化の流れを作るものでもあり、こうして言語の多様性が損なわれていると指摘する。
羅教授は現在の言語の存在・消滅をめぐる情勢を分析した上で「さまざまな方法により言語を保護するべきだ。教育やメディアなどさまざまな方法を通じて行うべきだ」と指摘し、博物館の建設、器物展示会の開催、ファッションやパフォーマンス、家庭博物館の設置、民間でのデータ収蔵などを通じて、母語文化の実像を保護する措置を取ることを提起する。(編集KS)
*コン:「玉偏」に「昆」
「人民網日本語版」2009年1月13日