中国の南極昆侖基地がある「氷穹A(ドームA)」は、その特異な地理的条件から、全世界で最も天文観測に適した地点だと言われている。「氷穹A」に設置された天文自動観測ステーション(PLATO)での連続2百日以上に及ぶ観測を通して得られた大量の科学データによって、この理論面での推測が完全に正しいことが裏付けられた。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
科学データによると、「氷穹A」での夏季気温はマイナス40℃、冬季気温はマイナス80数℃と、地球の自然環境下で最も低い気温となる。「氷穹A」では湿度も極めて低い。ミリ波帯域では水蒸気の電磁波吸収性がかなり高いことから、地球の他の地域では実施不可能なミリ波帯域の天文観測が、「氷穹A」ではすべて可能となる。宇宙学研究、暗物質(DARK MATTER)、暗エネルギー(DARK ENENGY)などの科学の最前線研究に対して、この事実が持つ意義は極めて大きい。
中国南極天文センターの天文学者・朱鎮熹氏によると、中国第24次南極科学調査隊が2008年2月に南極大陸の「最高点」である「氷穹A」に設置したPLATOでは、連続二百日以上に及ぶ越冬観測が行われているという。これには、南極天文観測の新記録となった134日間の極地夜間観測が含まれる。(編集KM)
「人民網日本語版」2009年2月2日