武漢大学の研究員が、6年近くの歳月を費やし、SARSコロナウイルスの増殖に必須な「非結合タンパクnsp14」の遺伝子コードをついに特定した。同学生命科学学院によるこの研究成果は、総合学術志「米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America、略称:PNAS)」オンライン版に発表された。論文の筆頭執筆者は博士課程大学院生の陳宇氏、研究代表執筆者は郭徳銀教授、共著者は現代ウィルスセンター主任の田波院士ほか。「湖北日報」が伝えた。
新型肺炎(重症急性呼吸器症候群、通称SARS)が2003年に発生して以来、SARSウイルスの抑制はすでに宣言されたが、自然界に棲む野生動物の群れには今もなお、SARS類似コロナウイルスが存在しており、SARSウイルスが再流行するリスクは残されたままだ。郭徳銀教授らの研究グループは、RNA(リボ核酸)ウイルスの研究を通して、「非結合タンパクnsp14」という物質が、遺伝子の伝達連鎖において極めて重要な鍵を握っていることを突き止めた。この遺伝子無しには、ウイルス変異は不可能だ。今回の研究成果によって、RNAゲノムの複製およびRNAウイルスのうちで病変を引き起こす分子の構造に関する新たな知識がもたらされた。また、新型抗ウィルス薬の開発や選別における重要な基盤も築かれた。(編集KM)
「人民網日本語版」2009年2月20日