全国政治協商会議委員、嫦娥1号プロジェクト総指揮兼チーフエンジニアの葉培建氏は5日、嫦娥1号の月面衝突に際して、国内天文台はこれまで衛星が月面に衝突した際の実際の状況を観測したことがなく、また写真撮影を行った経験もないことから、嫦娥2号を利用して嫦娥1号の衝突跡を撮影することを現在検討していると述べた。
葉氏によると、嫦娥1号の当初の設計では月面への衝突は考慮されておらず、モジュール設計の際に実際に月面に衝突あるいは衝突跡を撮影することは加味されていなかった。衝突当日、プロジェクトリーダーチームは全国の天文ステーションを組織して観測を行ったが、日中は光線が強すぎて観測不可能だったという。もっとも衝突跡は今後しばらくの間残るとみられ、嫦娥2号を利用して嫦娥1号の残がいと衝突跡の撮影を行うことが現在検討されている。
一方、月面車を搭載した嫦娥3号は、月面の赤道付近にある「虹の入江」に着陸することとなった。葉氏によると、当該地区は比較的平坦で、明るさも充分であり、観測が容易であるという。月面車は現在入札募集中であり、月の表面の土壌の採取装置には香港理工大学の容啓亮・教授の設計提案が採用される。容教授は歯科医の経歴を有しているため、精巧な機械設計に長けており、採取装置の製作経験を持つ。
葉氏はまた、中国は現在国内最東部と最西部に大型天文地上ステーション2カ所を建設計画中であり、その観測能力は火星にまで達し、完成のあかつきには中国は火星探査衛星を打ち上げる能力を有することになると語った。(編集HT)
「人民網日本語版」2009年3月6日