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劇が始まる。出演者は生活の場から舞台へと向かう。 |
第5回国際新聞撮影コンテスト入賞作 「劇と夢の舞台を歩む」
民族的雰囲気を持つ京劇は、民間から宮廷、過去から現在へと200年以上にわたって続き、時代の変革と芸術によって磨かれてきた。「国劇」と呼ばれる京劇芸術は中国古来の文化要素と時代の香りを纏っている。2008年10月の中国山東省済南市の第5回中国京劇芸術祭では伝統京劇と現代芸術の完全な結合とも呼ばれる作品が上演され、歴史と現代の物語の来歴を示した。舞台の幕開けは、虚構の世界の門を開くかのようだ。内側の光と影、点と線、声と色、静と動は真実でもあり幻でもあり、詩や絵のようで、歴史の時間を越えて人々に無限の想像をもたらす。大きな舞台は時には多彩に、時には薄暗く、様々な隈取りや衣装の老生、青衣、花旦、小生(京劇の役名)たちが順番に登場し、彼らの様々な声と姿、感情と光景の物語が「唱、念、作、打」といった技を披露して人生の悲喜こもごもを表現する。幕が下りると、灯りは薄暗いものの現実の世界で、普通の顔が化粧の下から現れ、穏やかな顔へと変わる。隈取りは偽者で、人物が本物、劇は偽者で、感情は本物だからだ。隈取りを描いた人が舞台で演じるのは真実の劇で、隈取りのない人が生活の中で演じるのは偽の劇だ。舞台を下りて化粧を落とした出演者は、生活の真実を取り戻す。劇場を出ると仮面をかぶった観客が、再び舞台の虚構を再現する。
劇場が舞台なのか、それとも生活が舞台なのだろうか。劇は夢なのか、それとも人生が夢なのか。劇の外の劇である人生、真実でもあり幻でもある生活について、誰が確かなことを言えるだろうか。夢の中ではそれが夢とは知らず、舞台では劇こそが真実である。真実の観客がこの真実の舞台に現れ、共同で真実の劇と夢を編み出し、皆が満足する。老人が言うように、劇は人生であり、人生は劇のようなのだ。
「劇と夢の舞台を歩む」は文化・芸術報道部門(複数)の銅賞を受賞した。撮影・江浩氏。