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中国の「おたく族」とは?
発信時間: 2009-04-09 | チャイナネット

1980年代後半に生まれたある女性は、「姜小羊」というハンドルネームであるサイトに、「女性おたく族の日記」と自分の生活を掲載した。この日記では、「姜小羊」は仕事をする以外に、外出したり友達と付き合ったりすることはほとんどなく、インターネットでゲームや読書、買い物をして毎日を送っている。この日記には約1万人の人が訪れ、その中には「姜小羊」のライフスタイルを認める人もいれば、「おたく族」の社会適応能力の退化を心配する人もいた。

 

「姜小羊」は「おたく族」?

「おたく(宅)」は日本から入ってきた言葉で、一般的にはある物やある分野に非常に熱中している人のことを指し、これらの人は極端な場合、社会から外れることもある。岡田斗司夫氏は著書「オタク学入門」で、「おたく族」は映像の世紀といわれる20世紀に生まれた新人類で、情報の海で映像に格別敏感な新生代だと指摘している。

「姜小羊」のような生き方は「おたく族」と言えるのだろうか。日本文化に詳しい中山大学人類学学部の王建新教授は、「姜小羊」はただ家にこもっている怠け者で、独立した精神世界や物質世界があり、豊かな創造力を身につけている「おたく族」には属さないと考えている。

 

独立した考え

王教授によると、「おたく族」は経済や消費文化が発達した欧米で最初に登場し、アジアでは日本に最初に現れ、日本の伝統的な考え方をする年配者たちは、今でも「おたく族」の考え方や行動に先入観を持っているが、1970年代後半からは日本の社会も理性的に「おたく族」を見つめ、理解を示すようになったという。今では彼らの考えや行動に気に入らない人たちも公に批判することはないそうだ。

中国の都市に現れた「おたく族」と、日本の「おたく族」にはどんな違いがあるのだろうか。王教授は、「広州では、『おたく族』がたくさんいる。独立した考えを持っていて見込みのある人たちだ。中国の消費文化はまだ発達しておらず、若者たちの文化への理解も限られている」と話す。

 

思想や行動は健全で進歩的

「おたく族」の社会適応能力の退化についてはこういう意見だ。「本当の『おたく族』なら、トレンドをリードする能力もある。社会の成熟と消費文化の向上で中国でもプライベート空間が確立し、『おたく族』はますます多くなるに違いない。一部の反社会的言動以外は、彼らの思想や行動は健全で進歩的だ」

「おたく族」の現象は一人っ子政策と関係があるのだろうか。「一部の『おたく族』は人付き合いがよくないという傾向があるが、彼らは強い社会関係を構築する能力があり、今までの方法とは違うだけだ。だから一人っ子政策とはまったく無関係で、経済や消費の発達と直接つながっている」

 

「チャイナネット」 2009年4月9日

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