中国社会科学院は13日、09年の「文化青書」を発表し、中国の文化産業が今後5年から10年までの間、より健全な高速成長期を迎えるという予測を示した。国民経済の成長と転換を推進するという文化産業の大きな役割はますます際立っていくと見られる。「北京商報」が伝えた。
▽3Gの追い風を受ける文化産業
中国社会科学院文化研究センター張暁明・副主任によると、第三世代携帯電話(3G)や中国モバイルマルチメディア放送(CMMB)の登場は文化産業にとっての大きなチャンスとなる。新たなデジタル技術の登場と普及の際には、娯楽文化コンテンツが活躍することが多い。3GとCMMBの登場はモバイルインターネット時代の到来を象徴している。文化産業はすでに、業務形態革新とビジネスモデル革新の新たな時期に入ったと言える。
張副主任によると、3GとCMMBという2つの新技術はいずれも、モバイル機器を使ったストリーミングメディアの受信と関係している。これらの技術は、放送業と通信業との合流という最新の傾向を代表している。この2分野は、消費が行われる端末において最終的に合流することになるはずだ。張副主任によると、中国移動(チャイナモバイル)などの大企業は現在、国家アニメ漫画部門の形成に積極的に参加している。3Gの登場で、携帯電話でのアニメ放送が大きく広がろうとしている。
▽拡大を続ける中国のシェア
文化青書によると、世界文化産業の状況は経済危機によって変化を加速していく見込みだ。世界の文化貿易は、商品やサービスの競争の時代から大資本による争いの時代へと突入していく。世界文化産業の分業体制における中国の低い位置にも変化が現れると見られる。
国連の5機関は08年、「価値創造経済報告」を発表し、世界の文化貿易の状況について国連として初めて評価を行った。これによると、世界の文化市場と文化商品貿易市場に占める中国のシェアは19%に達した。張副主任は、「国連の報告は、中国がすでに、文化商品の世界最大の生産国・輸出国となったことを示している」と指摘した。
「人民網日本語版」2009年4月14日