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世界が中国のレアアースを乱開発
発信時間: 2009-04-15 | チャイナネット

 レアアース(希土類)の過度な開発問題について、全国人民代表大会(全人代)代表の氏が全人代に提出した「レアアース生産・輸出の厳格な規制を求める建議」が、社会各界から幅広い注目を集めている。「北京科技報」が伝えた。

 中国のレアアース生産量は2005年、世界の96%を占め、輸出量で世界一となった。中国で生産されるレアアースの60%は輸出され、中国は世界でも唯一様々な等級、品種のレアアース製品を大量供給する国でもある。中国はコストにこだわらずに開放的に世界にレアアースを供給しているといえる。国家発展改革委員会の報告によると、中国は世界の需要量の2倍以上に相当する年間20万トン以上のレアアースを生産している。

 周氏は、レアアースは世界の平和と国の安全に関わる戦略的金属だと指摘する。優れた光電磁などの物理的特性をもつため、他の素材とともに性能の異なる新素材を形成し、その他の製品の品質と性能を大幅に高めるという機能をもつ。例えば、戦車・航空機・ミサイルに使われる鋼材やアルミニウム合金、マグネシウム合金、チタン合金の戦術的性能を大幅に向上させる。

 「しかし中国はレアアース大国であるにも関わらず、これまでずっと他国のために貢献してきた」と周氏は懸念する。製造業と電子工業によって発展してきた日本と韓国は資源に乏しいため、レアアースに依存していることは言うまでもない。毎年中国は50%以上のレアアースを日本と韓国に輸出している。

 レアアースの埋蔵量が世界第二の米国は早くから国内最大のレアアースが埋蔵するマウンテンパス鉱山を封鎖、モリブデンの生産も停止し、毎年中国から大量のレアアースを輸入している。西欧諸国の埋蔵量はもともと少ないため、中国の重要な顧客となっている。彼らは生産に必要な分以外にも、政府の割当枠を超過してまで購入し、各自の倉庫に保管している。こういったやり方は日米韓などで長年続けられている。各国は購入のほかに投資などの方法を通じて中国の法律をかいくぐり、レアアースの開発に参与している。

 いかにレアアース資源を守るかについて、周氏はレアアースの生産・販売・輸出入を専門に管理する国家機関を立ち上げ、統一の関連政策や法規を制定し、厳格な管理を実施しなければならないと指摘する。生産量、輸出量・輸出先を規制する政策を厳格に実施し、レアアース資源が戦争目的に利用されるのを防ぐ必要がある。特に核兵器やミサイル、軍用機、原子力潜水艦など軍事装備を有する国へのレアアースの輸出を制限することだ。

 周氏はまた、「レアアース業界を規範化し、中国での個人採掘に対する有力な対策を立て、閉鎖すべきところは閉鎖し、合併すべきところは合併し、無断での輸出行為を打撃しなければならない。3年以内に、レアアースの輸出量を現在の10万トン前後から2、3万トン前後に減らし、レアアース金属の高利潤と持続可能な発展維持に向け、中国は長期的なレアアースの価格決定権を確保しなければならない」と強調する。(編集KA)

 「人民網日本語版」2009年4月15日

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