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「上海光源」高性能電子貯蔵リングの実験センター |
投資総額約12億元に及ぶ国内最大規模の科学装置「上海同歩輻射(放射光)光源」が29日、上海張江高科技園区で竣工、国内外ユーザーに公開された。竣工式に出席した劉延東・国務委員、上海市委員会の兪正声・書記、中国科学院の路甬祥・院長、中国工学院の徐匡迪・院長が同設備を起動させた。
病院のX線が人体の骨格血管の「写真を撮影する」装置に例えるとすれば、「上海同歩輻射光源(以下、上海光源と略)」から放射される極めて強いX線は、ミクロな世界の現象分析に「像形成革命」をもたらした。これは、通常のX線撮影装置より1億倍以上、数百万倍の強さの放射線を利用して、「ミクロ像を形成」する、数々の最前線学問分野の研究に最先端かつ代替不可能なツールだ。
世界20カ所にある第3世代放射光施設中、「上海光源」のエネルギー規模は、日本、米国、ヨーロッパの各施設に次いで世界第4位。中国台湾地区、日本、韓国、インドの第3世代放射光施設とともに、欧米に匹敵するアジアの放射光施設群を形成している。
合肥にある第2世代放射光施設と比べ、第3世代「上海光源」は、電子ビーム発射角度は約4ナノメートル(弧度)と、両者の差は約40倍。また電子ビームから得られる明度の差は約1600倍(約3ランク)。高い強度・明度・安定性などの特性を備えた「上海光源」は、バイオサイエンス、材料科学、環境科学、医学、薬学など多分野の最前線基盤研究に用いられ、マイクロエレクトロニクス、石油、医療診断などハイテク技術の開発応用に関する実験研究にも役立つと期待される。
「上海光源」は2004年12月25日、基礎工事をスタートした。中国科学院と上海市人民政府が共同で国家に建設を申請、中国科学院上海応用物理研究所が施工を担当した。(編集KM)
「人民網日本語版」2009年4月30日
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