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「カンフーパンダ」監督 中国アニメの現状を酷評 |
発信時間: 2009-07-06 | チャイナネット |
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2008年の中国アニメの制作時間は、07年より28%増の史上最長の約2184時間だった。しかし多くのアニメチャンネルの担当者は、制作数が多くても質のいいものが少ないと不平をもらしている。
低コストのフラッシュアニメの制作が急増 約2184時間のうち半分は、単調なストーリーで雑なキャラクターのフラッシュアニメだ。上海の眩動アニメーション衛星テレビの購入担当者は、「アニメの制作時間を押し上げたのは主にフラッシュアニメで、全体的に質は高くない」と話す。 また制作されたアニメはオリンピックや干支などをテーマにしたものが少なくなく、放送回数は30回以上、多いものでは60回以上で、オリンピックなどブームが過ぎてしまうと視聴者を引き付けるのは非常に難しいという。また人気コメディドラマのアニメ化も成功しているとはいえず、ドラマの面白さを引き出すことができていない。 眩動アニメーションチャンネルの視聴率ランキングに入ったのは、フラッシュアニメの「喜羊羊と灰太郎」を除けば、視聴率トップの「小宋当家」などすべて中国の伝統文化をテーマにした手描きのアニメだ。 アニメ業界に詳しい人は、「フラッシュはもともとウェブページのアニメ制作に使われ、手描きの生き生きとした効果は生まれにくい。だがコストが低く制作時間も短くてすむため、シェアを奪い合う一部の企業が真っ先に用いた」と、フラッシュアニメの急成長は、アニメ産業のむやみな利益追求を表したものだと話す。
発想が利益を生む 中国には今、中央テレビ局の子供向けチャンネルや3社の衛星アニメチャンネル、各地方の34社の子供向けチャンネルがあり、アニメの需要は非常に多い。しかし市場が大きければ、約5400社のアニメ企業のシァア争奪戦も激しくなる。 手描きのアニメは1分間に1万元ほどかかるが、フラッシュアニメはわずかその半分。しかも放送回数が増えれば平均コストはさらに下がるため、中小企業は低コストのフラッシュアニメを主力商品に、コメディドラマや神話など昔の物語を頼りにアニメを制作している。 中国を訪れている「カンフーパンダ」のジョン・スティーヴンソン監督は、中国のこうしたアニメ産業の現状についてこう話す。 「どんな方法であろうと優れた作品は出来る。一番大切なのはストーリーだ。アニメ産業はストーリーを創作する産業であり、加工業ではない。『カンフーパンダ』はストーリーの創作から完成までに13年間もかかった。発想が利益をもたらすという方法が、アニメ産業の歩むべき道だ。中国のアニメ産業には質の低い作品が氾濫しており、中国アニメの全体のレベルを引き下げることになるだろう」
「チャイナネット」 2009年7月6日 |
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