皆既日食はめったに見ることのできない天体現象である。昔の人はその原因が分からなかったため、数多くの神秘的な彩りを加えた。

中国では「『天狗』（『天の犬』。日本の天狗とは異なる）がお日様を食べる」という伝説が広く伝わっている。民間では、日食というのは太陽が「天狗」に食べられてしまったために発生するものだと伝えられてきた。天狗が太陽を腹の中に呑み込んでしまったとき、人々は鳴り物を使って太陽を助けた。大きな音を鳴らして「天狗」を驚かせば、呑み込んだ太陽を吐き出すと言われていたのである。皇帝から庶民まで誰もがこの話を信じ、「天狗」を追い払い、太陽を助けるために、みんなで銅鑼や太鼓をたたき、爆竹を鳴らしたという。

「チャイナネット」　2009年7月20日