重点基礎研究プラン「973計画」のサポートのもと、中国の寄生虫学研究はこのほど、日本住血吸虫の全ゲノム配列と遺伝子機能の解析を完了し、関連の論文全文が09年7月16日、著名な学術雑誌「ネイチャー」に発表された。「日本住血吸虫ゲノム研究成果記者会見」が15日に上海で行われ、科学技術部、衛生部、中国科学院、国家自然科学基金委員会、上海市科学委員会の代表、専門家、記者らが参加した。科学技術部のウェブサイトが23日に伝えた。
住血吸虫病は人々の健康と命を脅かすと同時に、発生地域の経済社会の発展に大きな影響をもたらす伝染病であり、中国は厳格な住血吸虫病対策を行っている。973計画は06年と07年にそれぞれ「住血吸虫と哺乳動物宿主との相互作用分子の進化と免疫学の基礎」、「マラリア、住血吸虫病の予防と治療の基礎研究」という重要な基礎研究プロジェクトを打ち出し、サポートしてきた。
国家ヒトゲノム南方研究センターは、復旦大学、中国疾病予防抑制センター寄生虫予防抑制所などの多くの機関と共同で、今回始めて日本住血吸虫の全ゲノム配列解析と、機能解析を行った。研究により、日本住血吸虫のゲノムは約4億の塩基からなり、40.1%が繰り返し配列であること、日本住血吸虫は他の同類種と多くの共通ゲノムを持つほか、特有の遺伝子も持っていることが明らかになった。この研究は、住血吸虫の生物学的特長、対抗薬品開発および、ワクチン開発に向け、理論的基礎を打ち立てた。
論文を審議した専門家は「同論文は、扁形動物のゲノム配列を代表する初めてのもので、寄生虫研究史上の一里塚となるだろう」と述べる。
「人民網日本語版」 2009年7月24日 |