じん肺症の診断にコンピュータによる補助測定を応用するプロジェクトが22日、上海市科学技術委員会の専門家の検査に合格し、中国の医学界の空白を埋めた。中国新聞網が23日伝えた。
じん肺症は、中国で最も深刻な職業病とされ、職業病全体の8割を占める。鉱山、製錬工場、建築現場などで働く作業者はじん肺症を患いやすい。中国では昨年末の時点で63万8000人がこの病気に悩まされているとされる。
じん肺症をコンピュータで診断する技術は、上海市科学技術委員会、上海市肺科医院、GE中国研究開発センターが共同で開発したもの。1年半の歳月を費やし、投資総額は1千万元近くにのぼる。この技術は、デジタル化したレントゲン写真の分析を通じて、病気の診断や状態を判断し、診断へのアドバイスを行う。これにより、じん肺症の診断がスピードアップし、より正確になった。従来の診断では、医者がレントゲン写真を見て判断を下すのに3分かかっていたが、とコンピュータ補助測定だと54秒で診断ができるようになった。
この技術は1年以内に現場に投入される見通しで、現在は上海市肺科医院で試験的に使用されている。GE中国研究開発センターは、この技術をさらに改良し、肺結核や肺ガン、心臓病の診断に取り入れたいとしている。また、SARSなどの爆発的な感染病の予防にも積極的な役割が期待される。
「人民網日本語版」2009年7月24日 |