クローンネズミ「小小」。 |
中国人科学者がこのほど、マウスの4倍体胚に人工多能性幹細胞(iPS細胞)を注入し、メスの子宮に戻して生育させる「4倍体胚補完法」という手法で、繁殖能力を持つマウスを得ることに成功、世界で初めてiPS細胞の全能性を証明した。英国の雑誌「ネイチャー」と米国の雑誌「Cell Stem Cell」が23日、それぞれウェブサイト上で研究を発表した。
報道によると、中国科学院動物研究所の周叙ャ氏と北京生命科学研究所の高紹栄氏が率いる研究グループは、それぞれ基本的に同様の遺伝子技術を利用して、マウスの生体を得ることに成功した。うち、周叙ャグループが育成したマウスはすでに健康な第2世代の繁殖に成功している。研究スタッフはロイター通信の取材を受け、「同研究で、疾病の根源がさらによく理解できるようになった。ここからさらに有効な治療・治癒方法を探していく」と述べた。
上海交通大学医学院の曾凡一・研究員は、ロイター通信の取材を受け、「生存時間が最も長いネズミはすでに9カ月になった。このネズミには第2世代100匹以上と、第3世代100匹以上が生まれており、生存時間は最短でも2カ月で、健康上の大きな問題は表れていない」と述べる。
オーストラリア乾細胞センター(ASCC)で、ヒト胚性幹細胞技術の責任者を務めるAndrew Laslett氏は「この実験で初めてiPS細胞の全能性が証明された。これから体のいかなる組織も作ることができる」と述べた。
「人民網日本語版」 2009年7月27日