ホーム>>文化>>文化一般
「蔵彝走廊」の色鮮やかな「スカート文化」
発信時間: 2009-11-17 | チャイナネット

九寨溝県に暮らす白馬チベット族

 

 「蔵彝走廊」には「スカート文化地帯」とでも言うべきものが存在する。岷江流域の白馬チベット族、大渡河畔の嘉絨チベット族、雅礱江支流の鮮水河周辺のチベット族走婚(通い婚)部落の扎壩人、金沙江河谷のナシ族、怒江沿いのリス族、ヌー族、プミ族、大渡河及び雅礱江下流に暮らす凉山イ族の女性は、四季を問わずスカートを好んで身につける。

 審美眼や文化経験、自然環境などが影響して、長い丈のプリーツタイプ、短い丈のもの、上着と一続きになったワンピースタイプなどスカートの形はさまざまであり、年齢によっても身に着けるものは異なる。また、近年の紡績工業の発展や普及にともなって「蔵彝走廊」のスカートもしだいに華麗になり、形も豊富になっている。

 嘉絨チベット族、イ族、リス族、ナシ族摩梭人、プミ族の女性はプリーツスカートをはく。怒江一帯のリス族の女性が身につける伝統的な長い丈のプリーツスカートは、麻や綿で作られることが多く、下のほうに赤色の横線が入っている。九寨溝県の白馬チベット族の短い丈のスカートには華麗な縁飾りが施されており、歩くとそれが揺れ動いてとても美しい。扎壩人の毛質のワンピースは重厚で気品があり、イ族の短い丈のスカートは活発で可愛らしい。

 伝統的な盛装を一式持つことは、女性たちの願いである。「蔵彝走廊」のどの民族の村を訪ねても、一年中、スカートをはいた女性たちが野良仕事に励んでいる姿を目にすることができる。もしくは、布を織る音を頼りに建物の中をのぞくと、織子たちが織機の前に座って一心に機織をしている姿が目に入る。

「蔵彝走廊」の一部の民族にとって、スカートは多くの文化を内包している。例えば、凉山イ族、瀘沽湖周辺のナシ族摩梭人、丹巴の嘉絨チベット族はプリーツスカートをはく民族であるが、娘が15、6歳になると両親は日を選んで盛大な成人の儀式を催す。このとき、両親は娘のためにプリーツスカートを含む美しい民族衣装を一式用意し、村人たちを集めて「換童裙」(イ族)や「穿裙子」(ナシ族摩梭人)と呼ばれる儀式を行うのである。

イ族の娘は「換童裙」の儀式で、それまではいていた2枚の布で作られた淡い色のスカートを脱ぎ、3枚あるいは4枚の布で作られた赤、青、黒など色のコントラストが強い長い丈のプリーツスカートを身につける。

ナシ族摩梭人の娘は「穿裙子」の儀式で、部屋の右側にある「女柱」の下に立ち、片足で豚の脂身を、もう一方の足で穀物の入った袋を踏む。これは一生食べ物に困らないことを象徴する儀式である。また、ラマ僧を呼んで経を唱えてもらった後、母親が娘に金の縁飾りがついた上衣とプリーツスカートを着せ、赤い腰帯を巻いて、髪の毛を結い上げ、色とりどりの首飾り、耳飾り、腕輪などの装具をつける。丹巴の嘉絨チベット族の少女も成人の儀式を受けた後、長い丈のスカートを身につける。その日はミスコンテストも催され、非常ににぎやかである。

 

「チャイナネット」 2009年11月17日

1   2   3   4   5