欧州宇宙機関(ESA、ヨーロッパ各国が共同で設立した宇宙開発・研究機関)・有人宇宙飛行ミッション部門のトーマス・ライター主任は11日、宇宙飛行のミッションを中国と協力して行う可能性を模索しており、今後10年以内に、欧州の宇宙飛行士が中国の有人宇宙飛行船で宇宙に行くことを目指す旨を明かした。
英紙『ザ・デイリー・テレグラフ』12日付の記事によると、ライター氏はベルリン国際航空宇宙ショーに参加した際、メディアに対し、上記のことを述べている。ライター氏は「欧州宇宙機関は中国の同業者との協力関係を徐々に強化していく考えで、『今後10年間の後半』には共同で宇宙飛行のミッションを始動する予定である。欧州の宇宙飛行士が中国製の有人宇宙飛行船に搭乗して宇宙に向かうことを願っている。実際、我々の機関の宇宙飛行士たちは既に中国語の訓練を始めている」と話した。
米AP通信社は12日、欧州宇宙機関は国際宇宙ステーション(ISS)プロジェクトのメンバーであるが、有人宇宙船を有していないため、有人宇宙飛行を行うことができない。以前、欧州の宇宙飛行士が宇宙へ行くためには、アメリカかロシアの宇宙船を利用することしかできず、コストもかかっていた。2011年にアメリカのスペースシャトルプロジェクトが終了してからは、欧州宇宙機関はロシアの宇宙船に頼るしかなかった。一方、中国の宇宙分野での発展は目覚しく、2003年から、アメリカ、ロシアに次いで三番目に宇宙飛行士を宇宙に送り出すことのできる国へと成長している。
ライター氏は、19カ国が参加する欧州宇宙機関は中国国家航天局と、一連の会談を実施する予定で、多分野での密接な連携を双方で検討し、宇宙飛行士の訓練、宇宙船のドッキング、航空宇宙用生命維持システムの開発などを含めた協力関係について協議する。その後は、欧州と中国で更なるハイレベルの政治分野での会談を行い、真に共同で一大宇宙プロジェクトを全うできるかどうかを決定する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2012年9月14日