中国の民間環境保護組織・達爾問自然求知社はこのほど、屋内公共施設においてタバコの煙が空気の質に及ぼす影響に関する報告書を発表した。同報告書は、「北京市の屋内公共施設のPM2.5濃度は、タバコの副流煙の影響で基準を大幅に上回っている」と指摘。新「環境空気質量標準」によると、禁煙でないインターネットカフェやバーのPM2.5濃度は、いずれも「深刻な汚染」のレベルに達していることが分かった。科技日報が報じた。
同組織は今年3月?9月にかけ、北京の公共施設(レストラン、バー、インターネットカフェなど)43カ所において秘密裏に調査を行った。調査員はピークの時間帯にPM2.5ポータブル測定器を持って調査対象の店を訪れ、室内のPM2.5濃度を測定した。
プロジェクト責任者の王秋霞氏は「今回調査した公共施設にはいずれもタバコを吸っている人がいた。バーの室内のPM2.5濃度は1立方メートルあたり平均481.8マイクログラム、インターネットカフェは平均252.7マイクログラム、レストランは平均147.8マイクログラムで、いずれも基準値の75マイクログラムを大幅に上回った。最も深刻だったバーでは1154マイクログラムに達し、基準値の15倍以上となった」と語る。
研究によると、タバコを吸っている人がいる場合、室内のPM2.5のうちタバコの副流煙を由来とするものが90%に達するという。
中国疾病予防コントロールセンター控煙弁公室の李強博士は「PM2.5は肺に吸い込まれやすく、呼吸器や循環器系に害を及ぼす。タバコの副流煙の粒子には、少なくとも69種類の発がん物質と、172種類の有害物質が含まれており、肺がん、心臓病、乳がん、気管支炎などの原因になることが科学的に証明されている」と述べた。
「人民網日本語版」2012年10月10日