中国人科学者、第3種のメモリ技術を開発

中国人科学者、第3種のメモリ技術を開発。

タグ:メモリ 復旦大学

発信時間:2018-04-11 13:21:50 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 復旦大学マイクロ電子学院教授の張衛氏、周鵬氏が率いるチームはこのほど、画期的な二次元半導体準不揮発性メモリを作り、第3種となるメモリ技術を開発した。その書き込み速度は現在のUSBメモリの1万倍で、データ保存時間も自ら決めることができる。これは世界の半導体電荷蓄積技術の「書き込み速度」と「不揮発性」を兼ね備えるという難題を解消した。

 

 関連成果は北京時間10日、『ネイチャー・ナノテクノロジー』に掲載された。

 

 半導体電荷蓄積技術には現在、主に次の2種がある。まずは揮発性メモリで、コンピュータ内のメモリは電源を切ると直ちに失われる。次に不揮発性メモリで、よく用いられているUSBメモリなどがそうだ。データを書き込むと10年は保存できる。前者は数ナノ秒でデータを書き込むが、後者は数ナノ秒から数十ナノ秒かかる。

 

 今回開発された新型電荷蓄積技術は、10ナノ秒でデータを書き込み、さらに10秒から10年という範囲内の準不揮発性を持たせることができる。この新しい特性により、高速内部メモリ内でエネルギー消費量を大幅に削減し、同時にデータの有効期間を設定でき、自然消滅させることができる。特殊な応用シーンでの気密性と伝送の矛盾を解消する。

 

 同研究は多重二次元材料堆積によるSFGTを形成した。二硫化モリブデン、二セレン化タングステン、二硫化モリブデンを、スイッチの電荷輸送・蓄積に用い、窒化ホウ素をトンネリングとすることで、段状エネルギーバレー構造を持つヘテロ体を作った。

 

 周氏は「この複数の二次元材料を選び、二次元材料の豊富なエネルギー帯の特性を十分に発揮した。一部は自由に開け閉めできるドアのようなもので、電子は入りやすく出にくい。別の部分は風を通さない壁のようなもので、電子は出入りしにくい。書き込み速度と不揮発性は、この2つの部分の比率で調整する」と説明した。

 

 書き込み速度がUSBメモリの1万倍、データ上書き時間は内部メモリ技術の156倍で、優れた調整性を持ち、データの有効期間の需要に基づきメモリ構造を設計できる。研究者は試験により、この全二次元材料の新型ヘテロ接合体が、新たな第3種のメモリの特性を実現できることを発見した。

 

 研究者によると、二次元半導体準不揮発性メモリの大スケール合成技術を踏まえた上で、高密度な集積を実現することで、超低エネルギー消費量による高速保存、データ有効期間の自由な利用といった各分野で重要な力を発揮できるという。

 

 この科学の進展は、復旦大学の科学研究チームが単独で実現した。復旦大学専用集積回路・システム国家重点実験室が、唯一の担当部門だ。この研究は国家自然科学基金優秀青年プロジェクト、重点研究プロジェクトから支援を受けている。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年4月11日


 


TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで