故宮博物院は昨日宝蘊楼で古建築修繕・保護材料寄贈式を開き、太湖世界文化フォーラムから寄贈された古建築修繕の重要材料を受け取った。これには金塊100個と金箔100万枚が含まれる。
これらの金塊と金箔は古代の技法で作られており、紫禁城の「血筋」をそのまま留めている。故宮は宮廷古建築材料基地を設立し、多くの宮廷古建築材料の加工技術を研究・発掘・保護している。
金塊とは金製ではなく、宮殿などの重要建築物に供される高品質レンガのことだ。明朝初期の永楽帝による紫禁城建設から、清朝末期の宣統帝退位に至る500年以上に渡り、陸慕窯区は皇室御用達の唯一のレンガ製作所だった。蘇州陸慕御窯金塊場は、金塊技術の唯一の保護責任部門、現在唯一の古代金塊生産能力を持つ企業だ。その金塊加工技術は国家級無形文化遺産に登録されている。金塊生産の伝統技術には29の工程があり、すべての工程を終えるためかかる時間は1年余りで、そのうち製品になるのは2割のみ。
故宮の大規模な修理が2002年に始まってから現在まで、南京金陵金箔場は故宮古建築金箔修繕の唯一のサプライヤーとなっている。南京金箔加工技術も2006年、国家級無形文化遺産に登録された。
古代の金塊加工技術は清朝崩壊後にほぼ失われた。陸慕御窯金塊場金塊無形文化遺産の継承者である金瑾氏によると、宮廷建設の需要がなくなったため、多くの職人がこの業界から離れていった。陸慕御窯金塊場は2008年になり古代の技術により明朝・清朝の金塊を再現するプロジェクトを開始した。さらに長年の試みを経て、2015年に国家陶磁品質監督検測センターの検査に送った。その結果、古代の金塊に近い品質であることが分かった。
故宮博物院の単霽翔院長は「故宮の古建築は数百年に渡り維持・メンテナンスされてきたが、伝統的な材料・技術の使用を貫くことで、古建築の本来の姿と歴史情報を最大限に留めてきた。現在の古建築材料供給市場では、要求に合致する高品質の伝統材料の調達が難しくなっている。そのため伝統技術を継承する場所に、『故宮官式古建筑材料基地』が設立された」と説明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年4月17日