中国科学院の陳発虎院士率いる蘭州大学環境考古チームは先日開かれた会議で、夏河デニソワ人の発見地である甘粛省甘南チベット族自治州夏河県の白石崖溶洞に、大量の石器と動物の骨の化石を含む豊富な旧石器文化の遺物が残っていたと発表した。初歩調査により、遺跡上部の文化層は少なくとも4万年前に形成されたと鑑定。下部の地層の年数は現在調査中で、同遺跡は現時点でチベット高原の最も早期の考古遺跡と確定した。
6月14日から16日にかけて、中国科学院チベット高原研究所と蘭州大学が主催する「夏河人研究成果プロモーション・専門家諮問シンポジウム」が甘粛省夏河県で開かれ、蘭州大学資源環境学院の張東菊准教授を代表とする研究チームは会議で上述の研究成果を発表した。アルタイ山地区のデニソワ洞以外でデニソワ人の化石で発見されたのは初めてで、史前の人類がチベット高原で活動した最も早い時期を4万年前から16年前に早めた。また、チベット高原で発見された最も早期の人類活動の証拠でもある。
同研究成果は5月上旬に世界トップクラスの学術誌『ネイチャー』に掲載される。写真は、シンポジウムで公開された夏河デニソワ人の下顎の骨の化石。長さ約12センチで、第一臼歯と第二臼歯の2本の歯が残っている。歯は大きく原始的で、13~18歳の青少年のものであることを示す。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年6月17日