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japanese.china.org.cn |13. 10. 2020

ラフ族文化で貧困脱却 雲南省瀾滄県

タグ: ラフ族文化

ラフ族の村民たちとギターの弾き語りを披露する李娜倮さん(手前)


 雲南省普洱(プーアル)市瀾滄ラフ(拉祜)族自治県に暮らすラフ族は「話せるなら歌える。歩けるなら踊れる」といわれるほど、歌と踊りにたけた少数民族だ。貧しく立ち遅れた現状から脱却するため、省と地方の党委員会の指導の下、ラフ族の人々は自分たちの伝統的な民族文化を生かし、新たな貧困脱却の道を切り開いている。


 「観光客の皆さんに歌と踊りを披露できて、とてもうれしいです!」。30分間の公演を終えたばかりの李娜倮さん(34)は、依然として高く響き渡っている声で話した。


 老達保快楽ラフ演芸有限公司(興行会社)は2013年に設立された。公演の出演者は瀾滄県酒井郷勐根村老達保村民グループのラフ族を中心としている。このグループの村民は以前、しばしば招待に応じて全国各地で公演し、評判がとても良かった。これを見た瀾滄県政府は村民グループに対し、ラフ族の民族的情緒にあふれたショーを地元で催し、観光客誘致に取り組むよう提案した。歌と踊りを愛する村民は政府の提案に喜んで同意した。


 これまでに同社は地元で730回以上公演を開き、延べ12万人を超える観光客を引きつけた。また、ほかの地域に招かれて200回以上公演し、計407万元の収入を得た。出演者の配当金は年平均1万6250元に上る。


 李さんは4人家族で、主に茶摘みやトウモロコシと水稲の栽培で生計を立てている。李さんは以前、つらい農作業で疲れ果てるばかりで、生活の楽しさがなくなっていた。入社後、心の中で長らく抑え付けていた歌と踊りに対する情熱があらためてほとばしった。


 「観光客が来ればラフ族の民族舞踊を全力で披露し、来なければ畑仕事をしています。興行収入はみんなで分けています。毎年の配当金の額を細かく計算したことはありませんが、以前よりも生活が楽しくなりました!」。李さんはギターの弦をはじきながら笑顔を見せた。


 40歳の張扎啊さんは同社の董事長だ。興行会社のほか、地元で民宿やオリジナルグッズの小売店を経営しており、年収は十数万元に上る。しかし、経営にたけた張さんにとって、興行会社こそ最も意義のある事業だ。


 「同社の設立は老達保の全村民にまずまずの収入をもたらしました。私たちラフ族は助け合いをとても重視しています。昔、狩りで生活を賄っていた時代、猟で捕れた獲物は全員で平等に分け合っていました。村民のためになることができて、とても誇りに思っています」と張さんは意気盛んに語る。


 同社の設立前、張さんら村民たちは「交通が不便なのに、観光客がわざわざ来るだろうか?」と心配していた。瀾滄県政府はそんな村民の心配を知り、2012年に巨額を投じてアスファルトや石畳の道路を整備し、観光客が来やすいように環境整備を行った。同時に、政府はラフ族の文化観光を大々的に宣伝した。


 現在、会社の仕事は軌道に乗り、独力で経営できている。地方政府は必要なときに会社の研修のために一定の補助金を提供するだけでよい。村民が今のような幸せな生活を手にできたのは党と政府の計画と指導のおかげだと張さんは心から感謝している。


 「私たちの使命はラフ族の伝統文化を完全に伝えていくことです」と張さんは話した。 


 「人民中国日本語版」2020年10月13日