「徽墨」加工技術の秘密に迫る

　「徽墨」には1200年以上の歴史があり、かつて徽州府で生産されたことからその名で呼ばれる。徽墨加工技術は2006年に、第1期中国国家級無形文化遺産に登録された。その墨作りの13の工程はシンプルに見えるが、いずれもこだわりがあり、完成させるのは容易なことではない。

　安徽歙県老胡開文墨業有限公司は清乾隆47年（西暦1782年）創業で、1956年の公私合営後に歙県老胡開文墨場になった。新中国成立後で唯一の、徽墨の歴史と文化遺産を伝承する専門の生産工場だ。

　徽墨製作技術はかつて、後継者不足に陥っていた。数年前には現役職人の不足が生じた。同社の現在の主力従業員は50代で、勤続期間は最長50年以上となっている。現在の従業員数は136人で、その多くが元従業員の子供だ。1つの机と1つの椅子に一生座り続ける、これが墨作り職人の人生だ。

「中国網日本語版（チャイナネット）」　2020年10月22日