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japanese.china.org.cn |10. 03. 2021

南京海底世界、イルカの「乳母」を訪ねて

タグ: イルカの「乳母」

 


写真はCFPより

 記者は南京海底世界で8日、ある調教師に出会った。彼女、陳琳さんはそこで実習を初めてからもう10年になる。毎日イルカやアシカと過ごすのはこの上なく楽しく羨ましいと思われがちだが、彼女たちに近づくと人知れぬ苦労が隠されていたことが分かる。


 クラゲを飼育し人魚姫を演じるほか、さらに試験に合格しプロのイルカ調教師になり、動物の食品・栄養の組み合わせを理解し、自ら餌を作り与え、訓練を施す。そのすべてで気を抜けない。


 南京海底世界は春節を前にし、2匹の人工繁殖されたコツメカワウソ「小山」「小石」を迎えた。これは陳さんにとって新たな課題となった。人工繁殖のため、カワウソたちは非常にやんちゃで人を恋しがり、陳さんと毎日元気いっぱい交流する。


 記者が海底世界を取材したところ、陳さんがカワウソの小屋を清掃しようとすると、2匹のカワウソが彼女の靴の中に入り駄々をこね、ホースを噛んでいたずらをし、陳さんの作業着のポケットを探り玩具を探り、興味を引こうとしていた。カワウソたちの毎日の栄養についても丁寧に考えなければならない。ビタミンを擦って粉にし、骨を取り除き小さく切った魚の干物と混ぜ、少しずつ与えることで健康に成長させる。


 他にも陳さんには毎日、アシカやイルカの身体検査と訓練という最も重要な仕事がある。陳さんにとって動物の健康は何よりも重要だ。プールの近くで跪き、イルカの「大衛」の口腔と歯を調べ、肌に擦り傷はないかチェックする。その後順番にイルカの体温や目などを検査する。イルカのショーの他にも、陳さんは時間を作り小声でおしゃべりをし、そっと触れるなどスキンシップを図る。


 30歳になるのに交際相手がいない陳さんは、この仕事に興味を持っているだけでなく、愛を捧げている。「動物との交流は心温まる。私のように忍耐強く、ひたむきに愛してくれる人と出会いたい」


「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年3月10日

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