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japanese.china.org.cn |17. 03. 2024 |
陝西省の寨溝遺跡で中国最古の「双轅車」発見
陝西省考古研究院は15日、中国北西部に位置する陝西省清澗県にある寨溝遺跡で、中国最古の2本の轅(ながえ)を持つ「双轅車」が発見されたことを明らかにしました。
寨溝遺跡の貴族の墓の考古学的発掘では、副葬品として多くの荷車が発見されており、極めて精巧で美しい青銅製の馬車も発掘されています。中でも注目されるのが、2本の轅(ながえ:牛車の前方に突き出した2本の長い棒)を持つ1台の車です。これは、中国および東アジア地域の考古学的調査で発見された最古の「双轅車」とみられています。考古学者は、この車の構造と特徴から、金文(古代中国の青銅器に刻まれた文字)や各種文献に記録されている牛車や荷車だろうと推測しています。これは考古学的発掘による最も古い時代の運搬用牛車だということです。
寨溝遺跡プロジェクトの責任者を務める陝西省考古研究院の孫戦偉副研究館員は、「2本の轅(ながえ)が平行に車箱の下に設置されている。これは非常に珍しい」と説明しました。「双轅車」は、秦(紀元前905~紀元前206年)・漢(紀元前206年~220年)の時代、あるいは漢代以降に普及し始めたとされていました。しかし、今回の発見はさらに古い時代のものとみられ、車の発展とその構造を研究する上で非常に貴重な資料を提供しました。また、この発見は、陝西省北部が荷車や馬がユーラシア草原から中原地区に伝わる際の重要な経由地であった可能性を示すものだということです。
2022年6月、陝西省考古研究院は黄土丘陵地帯における殷(紀元前17世紀頃~紀元前1046年)末期の集落と社会形態に対する研究を深めるため、陝西省北部で殷代遺跡の考古学的発掘を再開し、寨溝遺跡の系統的な調査、発掘を行い、重要な研究成果を収めました。寨溝遺跡での殷代の甲字型の墓11基の発見は、これまでに殷商文化圏以外で発見されたもののうち、最大規模、最多数で地位が最も高い貴族の墓地であり、殷末期には陝西省北部ですでに高度に発達した青銅文明が存在していたことを明らかにしています。(ZHL、NM)
「中国国際放送局日本語版」2024年3月17日