文化クリエイティブグッズが文化観光産業の新たな発展の目玉に

最近部屋を整理した際に、友達が旅行先で買ってきてくれたとても美しくて特徴的なクリエイティブグッズを見つけた。それは孝端皇後鳳冠、雲南大理の洱海門、蘇州の双塔、山西省の関帝廟をモチーフしたミニマグネットで、先日のニュースを思い出した。

お気に入りの文創商品（文化クリエイティブグッズ）を買おうと思ったら、早くも若者の長蛇の列ができており、オンラインでの予約する人が意外と多かったというニュースである。ネットユーザーは、「一つ一つの厳選された商品にはそれぞれの旅の思い出がこもっており、大切な旅の記憶を持ち帰るという感覚がすごく素敵」とコメントした。これらの文創商品は消費者に感情面での共鳴や情緒的な価値を提供するだけでなく、個性的な商品を追い求める消費者の需要にも応えられている。消費者からの愛が、文創商品の開発と革新をより加速させていると考えられる。

小さな文創商品の裏には、深い中華文化が秘められている

中国の経済成長と国民の精神面の向上に伴い、消費者は旅行先で単なる飲食や遊びといった物質面の消費だけでは満足せず、文化面と心理的な消費体験をより重視するようになっている。若者の文創商品へのニーズは、伝統文化への熱い思いを反映している。小さな文創の裏には中華文化の強い支えがある。

近年、多くの文創が中華文化の深い意味を発掘し、独自性、芸術性、実用性を融合している。特に地域的特徴のある文化、有名な古建築の趣と若者が好むファッション要素を融合したものに、若い消費者は魅力を感じている。古代のものの形を再現した記念品も、建物や文化財の特徴を生かし革新して作った文創商品も、また実物用品からコンテンツのアイデア、文化サービス、デジタル製品の多様な開発まで、文創は消費者の注目を集めるだけでなく、消費者の購入意欲もかき立てている。

未来の文創商品は文化観光産業の質の高い発展においてより重要な役割を果たす

文化クリエイティブ産業は中国の巨大な潜在力を持つ新興経済ジャンルになりつつあり、そこから派生した文創商品の種類も爆発的な勢いを見せている。市場研究機関「智研諮詢」が発表した報告によると、2023年の中国の文創商品の市場規模は163億8000万ドルに達し、13.09%の成長を遂げた。小さな文創は、文化観光産業の発展を促す新たな目玉になった。

消費者の多様なニーズを満たし、多様な観光体験を強化し、新たな雇用機会を創出するなど、文化観光業の各方面の発展を促進することにより、未来の文創商品は文化観光産業の質の高い発展においてより重要な役割を果たすと考えている。

文創産業が持続可能な発展を遂げるには、独自の道を歩む必要がある

一方、文創市場の景気の裏で、懸念の声も出ている。短期的なブームを起こすのは簡単だが、長期的好調の勢いを維持するのは容易ではない。アイデアに溢れる商品の更新が急速に繰り返され、文創市場が持続的に力強い生命力を発揮できるかどうかを深く考えるべきだろう。

文創産業が持続可能な発展を実現するためには、一つ一つの商品を出し続けるだけでなく、文化的なアイデアも繰り返していくことが必要である。「文化」という根本を失ったものは、いくらヒットしても「一時的なブーム」として終わってしまう。現代の流行のデザイン・発想で古い民間文化を表現することはできるか、伝統文化からファッションの魅力を引き出すことはできるかなどが、若い世代の興味を引く鍵だと考える。

文化の歴史的価値、文化的価値、芸術的価値、人文的価値を絶えず掘り起こし、アイデアを商業的価値に転換することができれば、今後の文創産業の発展に期待できるだろう。

（筆者：Seki）