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全国各地の「お宝」大集合 ――中国省・自治区・直轄市連合館の魅力 |
発信時間: 2010-10-28 | チャイナネット |
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井上俊彦=文 馮進 井上俊彦=写真
世界が一堂に会する上海万博は、一方で中国各地の歴史から文化、民俗、経済発展を集中的に展示する場にもなっている。中国国家館と一体になった中国省・自治区・直轄市連合館(以下「中国省区市館」)では、中国と世界の観客を迎え、各省・自治区・直轄市ならではの演出で、文化や都市の姿、より良い都市生活へ向けての取り組みを展示している。これは、中国に関心を持つ日本人から見ると、各省の特色、文化財、発展を一度に見られるまたとないチャンスでもある。そこで、各館を実際に回ってみた。 「館内館」で回りやすい 中国省区市館は、平らな台のような形で中国国家館と一体になっている。この日は午前十時前に入館の列に並んだのだが、かなりスムーズに流れ、十分ほどで入り口に着いた。
入場時には多くの人が入って行くように見えたが、中が広く、31のパビリオンに分散しているため、思ったほどの混雑はない。そして、いったん館内に入ってしまえば日差しから逃れられ、十分な冷房のなか、心ゆくまで参観することができた。行列があったとしても、大きなフロア内に各館がある言わば「館内館」なので、炎天下、あるいは雨の中で並ぶのに比べればずいぶん楽である。それに、比較的長時間並ぶ必要があるのは、31の省・自治区・直轄市のうち数館で、行列不要の館の方が普通という状態なのである。と言うと、行列がないのは見るべきものがないからではと疑問を持たれるかもしれないが、決してそんなことはない。見ごたえたっぷりの館が目白押しだった。 中国文化の再勉強に便利 各館の展示で、まず注目したいのが貴重な「お宝」。雲南館では、1997年に省内で発掘された恐竜の化石が展示されていて、その迫力には圧倒される。もちろん学術的な価値も高いものだ。また、河南館の「もう一つの『清明上河図』」も一見の価値あり。東南アジアから運ばれた樹齢2300年以上という巨大なクスノキの根を使い、長さ18メートル、高さ2.56メートル、幅3メートルの根彫(木の根を使った彫刻)で『清明上河図』の世界を表現している。ハイテク版とはまた違った迫力のある作品だ。 さらに、江蘇館のヒスイの「大白菜」、福建館の漢白玉の媽祖像など、各館に展示されている貴重な芸術品、工芸品は、まさに枚挙にいとまがないほど。ほかのものに目を奪われて見たいものに気づかずに通り過ぎてしまうことがないよう、絶対に見たいものについては、どこにあるか前もって調べておくことをお勧めしたい。また、各地の民俗文化を間近に見られる館も多い。写真やビデオによる展示だけでなく、この日は陝西館で切り絵の実演も見られた。
ほかに、ご自身の中国文化に対する興味の視点で各館を回るのも楽しいかと思われる。『三国志演義』のファンなら、各館で登場人物ゆかりのものを探すのも楽しいのではないだろうか。例えば、山西館には関羽の像があり、「忠義仁勇」の文字も立派だ。中国茶に興味があるなら、各地の茶文化を比較しながら回るといいのでは。四川館や雲南館には茶館文化をデザインした展示があるし、江蘇館や浙江館では茶器などが見られる。 言葉の壁を越える演出 ところで、各館で上映されるムービーは多彩で、中国語の標準語が分からなくても楽しめるものが少なくない。演出も含めてよくできていると感じたのが安徽館のもの。最初のホールで安徽省にまつわる人物や歴史が壁や天井、床全体をスクリーンにして紹介されると、天気が急変、雨が降り始める。もちろんバーチャルだが、スタッフが番傘を差すなど演出も凝っている。そして雨がやむと、いつの間にか背後のドアが開いており、次のホールに誘われる。そこでは、中央のキューブと壁に映像が展開され、安徽省の自然や発展が紹介される。一連の流れが実にスムーズで、中座しようという気にならない。 さて、来館したからには記念撮影も重要だが、中国省区市館内には絶好の撮影ポイントが数多くある。陝西館のお勧めは、館に向かって左手に巨大な兵馬俑と並ぶ万博マスコットの海宝。この前で記念撮影すれば、これぞ「万博に行ってきました」という写真になるはずだ。
山東館の孔子像も迫力満点で、記念撮影をして学業成就を願うのもいいだろう。そのほか、昆明の著名な建築「金馬碧鶏坊」をイメージし、南国ムードあふれる雲南館入り口もきれいな写真が撮れそうな場所だ。 ちょっとした変化球として、北京館でオリンピックの聖火を運んだトーチとの記念撮影はいかがだろうか。万博とオリンピックが同時に楽しめるというのも、考えてみれば楽しい。 というわけで、省・自治区・直轄市に注目すれば、万博はまた違った楽しさを持つことをご理解いただけたことと思う。二、三日の日程で会場を回るなら、一日は中国省区市館を軸にしてはいかがだろう。思いがけない発見がきっとあるはずだ。
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