中国政府奨学金留学

一.中国政府奨学金について

中国と世界各国との人々との相互理解と友好を増進し、中国と世界各国との教育や科学技術、文化、経済、貿易などの分野での交流と協力を推進するため、中国政府は世界各国の学生、学者が中国の大学で学習、研修、研究活動を行うのを資金援助するため一連の奨学金プログラムを設立した。

中国教育部は中国政府の奨学金を外国人に提供し、教育部が委託した中国国家留学基金管理委員会(以下、「留学基金委」)は、中国政府奨学金の留学生募集と日常的な管理業務に関して具体的にその責任を担う。

中国政府の奨学金を取得した留学生は、中国教育部が指定する88校の大学で学ぶことになる。これらの大学では理学や工学、農学、医学、経済学、法学、管理学、教育学、歴史学、文学、哲学などの学科、約300に及ぶ専門科目を学ぶことができる。

各国の優秀な若い学生、学者や教師が中国の大学で学習、研修および研究活動を行うことを歓迎する。

(一)中国政府奨学金プログラムと申請方法

1.中国政府奨学金

この奨学金は中国教育部が、中国政府と関係する国の政府および関係国際機関との間で締結した教育交流協定または合意文書に基づき、外国の本科生と修士・博士研究生、漢語研修生、一般研修生および高級研修生に提供するもので、全額または一部が支給される。申請書はその国の留学生派遣を担当する政府機関、関係機関またはその国の中国大使館(総領事館)に提出する。

2.中国政府長城奨学金

この奨学金は中国教育部が国連教育科学文化機構(ユネスコ)に提供するもので、全額支給され、一般研修生と高級研修生のみ募集する。申請書はユネスコ本部またはその国のユネスコ支部に提出する。

3.優秀留学生奨学金

この奨学金は中国教育部が所定の研究計画をすでに達成し、その年に修士または博士コースに進学しかつ品行、学力ともに優れた学生が引き続き学業に従事するのを資金援助するため設立したもので、全額また一部が支給される。申請書は本人が在学する大学を通じて留学基金委に提出する。

4.HSK優秀者奨学金

この奨学金は中国教育部が、国外で実施された漢語水準試験(HSK)で格別優れた成績を収めた外国人学生が中国で漢語を研修するのを資金援助するため設立したもので、全額支給される。申請書は試験主催者またはその国の中国大使館(総領事館)を通じて留学基金委に提出する。

5.中華文化研究プログラム

このプログラムは中国教育部が各国の中国文化研究に従事する専門家、学者が中国で短期研究を行うのを資金援助するため設立したものである。申請書は学術交流で関係のある中国の大学、教授またはその国の中国大使館(総領事館)を通じて留学基金委に提出するか、または留学基金委に直接提出する。

6外国人漢語教師短期研修プログラム

このプログラムは中国教育部が、各国の漢語教育に従事する専門職の教師が中国で短期研修を行うのを資金援助するため設立したものである。申請書はその国の中国大使館(総領事館)を通じて留学基金委に提出する。

(ニ)中国政府奨学金の内訳

1.全額奨学金:学費(研究費)、緊急医療費、基本教材費、寮費、生活費、荷物輸送料の補助と都市間の交通費(いずれも1回)を含む。

2.一部奨学金:全額奨学金内訳の1項目または数項目を含む。

3.渡航費用:原則自己負担とするが、別途合意した場合は除く。

4.奨学金の生活費基準、その他のプログラムの奨学金内訳の詳細については、各奨学金の申請方法を参照すること。

ニ.中国政府奨学金の取得手続き

(一)募集時期と応募方法

奨学生の募集期間は1月初めから4月末までとする。国別の具体的募集期間と方法については、中国大使館と派遣する国の留学生派遣関係機関が協議する。詳細については、本国の留学生派遣機関または中国大使館に問い合わせること。

(二)奨学金の申請

申請者は奨学金の「申請方法」が規定する基本条件に合致し、厳格に要求に即して真しに奨学金申請書に記入すると共に、学歴証明書、成績表、研究計画、健康診断書および推薦書などの関係申請書類を提出しなければならない。申請書類は「申請方法」が規定する時間内に、募集事務を担当する派遣国の駐中国大使館、または中国の駐派遣国大使館に直接提出、または留学基金委に送付しなければならない。

申請者が提出する申請書類は採用の有無にかかわらず返却しない。卒業証明書や「外国人体格検査記録」などの書類の正本については、必ず申請者本人が保存しなければならない。

(三)留学する大学と専門科目の選択

中国は現在、88校の大学(詳細は付属書「中国政府奨学金大学名簿」を参照)が中国政府奨学金による留学生を受け入れている。奨学金を申請して中国で学ぶ者は、当該88校の大学から希望する大学と専門科目を選択しなければならない。具体的事項については、「中国政府奨学金留学生受け入れ大学および専門科目の紹介」か、留学基金委のホームページ(www.CSC.EDU.CN)を閲覧すること。

(四)講義言語

中国の大学では漢語による講義が一般である。漢語を理解できない留学生は専門科目を学ぶ前に1年から2年間、漢語の補習を受ける必要がある。一部の大学では、一部の研修課程および大学院課程で英語による講義が行われている。詳細については、「中国政府奨学金留学生受け入れ大学および専門科目の紹介」を参照すること。

三.奨学生の採用

留学基金委は中国の駐留学生派遣国大使館、または派遣国の駐中国大使館および関係組織に提出された奨学金申請者の申請書類について審査した後(申請者の条件が募集規定に合致しないまたは申請材料が不備の場合、基金委は申請を受理しない)、申請者の条件に基づきまた本人の希望を勘案して、申請書類を関係する大学に転送し、大学は採用するか否かを決定する。採用された場合、既に確定した大学、専門科目および年限については訪中後、原則として変更は出来ない。申請者が事前に関係する大学と連絡して入学許可を得た場合、留学基金委は申請書類に添付された大学の証明書を基に、関係大学と採用について協議する。

既に大学に採用された奨学金申請者については、中国教育部が認可すれば即、正式に中国政府奨学金留学生として採用される。

留学基金委は7月31日前後に「採用名簿」「採用通知書」および「外国人留学生訪中ビザ申請表」(JW201表)を、募集事務を担当する中国の駐派遣国大使館または派遣国の駐中国大使館に送付して各国の留学生派遣機関に転送し、各国の留学生派遣機関は上記書類を学生本人の元に送る。

四.訪中ビザと訪中後の登録手続き

(一)留学ビザの申請

中国政府奨学金を取得した留学生は、「採用通知書」「外国人留学生訪中ビザ申請表」(JW201表)および「外国人体格検査記録」の原本と副本、および本人の有効な一般パスポートを持って中国大使館または総領事館で留学ビザを申請する。留学期間が6カ月を超える場合、「X」字ビザを申請しなければならない。留学期間が6カ月未満の場合は、「F」字ビザを申請しなければならない。奨学生は上記各書類の原本を持って訪中しなければならない。その他の各種のパスポート、ビザはあるが上記書類の原本を持たずに訪中した場合には、大学は登録手続きを行わず、居留手続きも行ってはならない。

(二)大学への報告と登録

採用された学生は「採用通知書」に規定された入学期日前までに大学に到着したことを報告すると共に、規定に基づき登録手続きを行わなければならない。理由があって期限までに到着できない場合は、関係する大学に休学届けを直接提出しなければならない。大学の許可を得ず期限までに到着しなかった場合は、自動的に学籍を放棄したとして処理されると同時に、中国政府奨学金を受ける資格も自動的に取り消される。

(三)健康証明書と居留登記

1.健康証明書:留学期間が6カ月を超える奨学生は訪中後、規定する時間内に本人のパスポート、「採用通知書」「外国人体格検査記録」と血液検査表を持って、衛生検疫機関で健康証明書発行の手続きを行わなければならない。「外国人体格検査記録」で不合格になった場合は再度、健康診断の実施が求められる。健康診断を拒否、または健康診断で中国の法律で入国できないと規定される疾病を患っていると診断された場合は、期限内の帰国を命じられる。健康診断および帰国に係わる費用は本人が負担する

2.居留登記:奨学生は健康診断を行って健康が証明された後、本人のパスポート、「採用通知書」と「外国人体格検査記録」を持って公安機関で居留登録手続きを行わなければならない。

五.乗り換え交通費の無料サービス

(一)8月28日から9月18日までの期間、中国政府奨学生乗り換えサービスステーションは、北京経由で他の都市に向かう新奨学生のため乗り換えに必要な費用を負担する。中国の駐派遣国大使館(領事館)、関係する派遣国の駐中国大使館または留学生は必ず1週間前までに、本人が北京に到着する期日、利用する飛行機の便名または列車番号を同ステーションに通知すること(連絡場所:北京語言文化大学留学生処・電話:0086-10-82303057・ファクシミリ:0086-10-82303923・住所:北京市海淀区学院路15号・郵便番号:100083)。

(二)8月28日から9月18日以外の期間に北京で乗り換え、または北京以外の都市を経由して大学が所在する都市に向かう新奨学生については、本人が大学に到着したことを報告した後、受け入れ大学は規定する証明書に基づき、入国した都市から大学所在都市までの交通費(列車)を清算する。

六.奨学金の年度評価

1学年を超える留学年限が許可された全ての奨学生に対し、「中国政府奨学金年度評価実施法」に基づく評価を行う。大学は規定に基づいて学習成績や学習態度、出席状況、行動・姿勢、賞罰などを総合的に評価し、合格すれば次の学年でも継続して奨学金を受けられる。合格しなかった奨学生は、次の学年から奨学金を受ける資格を停止または取り消される。

「チャイナネット」2004年7月

Copyright © China Internet Information Center. All Rights Reserved
E-mail: webmaster@china.org.cn Tel: 86-10-68326688