吉祥喜図
 

喜上眉梢

 

中国人は昔からイメージによって気持ちを表すことを好んだ。「喜び」に関係するイメージを描いた図は「吉祥喜図」と呼ばれる。よく知られているものに、「喜在眼前」――対になって飛んでいる(あるいは立っている)2羽のカササギが真ん中にある古銭の図を共に見ている図(かささぎは中国語では「喜鵲」といい、「喜在眼前」の「喜」に当たる。「銭」は中国語で「前」の発音と同じなので、「前」に当たる)、「歓天喜地」――天を仰ぐアナグマと地を見下ろすカササギが向かい合っている図(アナグマの中国語は「貛」で、「歓」の発音と同じため、「歓」に当たる。かささぎは中国語では「喜鵲」といい、「喜」に当たる。)、「報喜図」――カササギとヒョウが組み合わされた図(ヒョウの中国語の発音は「報」と同じなので、「報」にあたる)、「同喜」(共に喜ぶ)――カササギが梧桐の枝に止まり、霊鳥が佳木に止まっている図などがある。また、「喜報春先」(喜びは春先に)には、カササギが梅の枝に止まって頭を上げて鳴いている様子が描かれており、人々が喜びに出会ったときのさわやかな気持ちを表している。「喜上眉梢」(喜びに目を輝かす)は梅の枝にカササギが止まっている図である(「梅」は中国語で「眉」の発音と同じなので、「眉」に当たる)。

イメージが生き生きと描かれ、奥深い意味を持つこれらの絵には、吉祥幸福を好み、渇望する人々の気持ちが表現されている。

カササギは古くは「神女」(女神)と称され、民間では俗に「喜鳥」と呼ばれた。姿態がしなやかで鳴き声が高いことと、織姫と彦星の一年に一度の出会いを苦労もいとわずに手助けする鳥であるため、人々はカササギを吉祥の鳥「喜鳥」としたのである。そして、カササギが枝に止まっているのを見たり、その鳴き声を聞いたりすると、喜ばしいことが起こる前兆であると考えた。「カササギが鳴き、吉報を告げる。財がやって来るか、親戚がやって来るか」という古いことわざがある。カササギは「喜びを告げる」鳥であり、吉祥幸福の生活の象徴であるとみなされている。中国文化の中には至る所にカササギの姿がある。吉祥幸福の象徴として、文人墨客は昔から詩に歌ってきた。また、めでたい図案として、書画や家具、器に広く使われ、喜びの意を表してきた。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月26日

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