「三多」とは多福、多寿、多子を指し、中国人が昔から追い求めてきた理想である。この種の願いはイメージの実物によって表現される。民間の「三多図」は、仏手柑・桃・石榴の3つの果物の組み合わされていることが多い。
仏手柑の「仏」は神仏を意味し、「福」の発音と近いこともあって幸福の意味が込められている。仏の手は財宝を握ることができると言われており、財宝があることは福があることを示す。そこで、仏手柑は福を祈り吉を招く吉祥物となった。桃は多寿の象徴である。西王母の持つ蟠桃を食べると不老長寿になれるという伝説があるため、桃は長寿の象徴とされている。石榴は多子の果物で、多子多孫を象徴し、人口が増えることを意味する。
年画の「福寿三多」には、3人の可愛らしい子どもが仏手柑、桃、石榴をそれぞれ抱えている様子が描かれており、人々のよりよい生活に対する追求が表現されている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月26日
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