近代までの農業社会では、旧暦12月8日以降、家庭の主婦たちは年越しの食事の準備でおおわらわだった。特に、燻製品はかなり時間がかかるため、必ず早めに準備に取り掛からなければならなかった。中国の多くの地方には燻製を食べる習慣がある。このうち広東省の燻製が最も有名だ。
餅は蒸して食べる。餅は「年コウ」(コウは食に羔)と呼ばれるが、「年高(年々向上する)」と同じ発音で縁起がよく、味にもバラエティがあることから、各家庭の年越しの必需品といってよい。餅の形は四角で、黄色や白があり、黄色は黄金を、白は銀を表し、「新年はお金を稼ぐ」という意味が込められている。
大晦日の夜を、「団圓夜」(団欒の夜)と呼ぶ。故郷を離れた子どもたちも、遠路はるばる急いで故郷に戻り、家族全員が食卓を囲み、一緒に餃子を作って年を越す。正しい餃子の食べ方は、餃子をゆでてお湯から上げた後、酢やニンニク、ごま油で調味した醤油の薬味につけながら食べる。油で炒めたり、焼き餃子などの食べ方もある。
餃子の皮を作るために小麦粉をこねる作業を「和」という。これは「一緒に」を意味する「合」に近い発音だ。また餃子の餃は、交わるの「交」と発音が通じる。そして「合」と「交」はいすれも集まって団欒するという意味があるため、餃子は一家団欒の象徴だ。このほか、餃子の形が昔の通貨「馬蹄銀」に似ているため、年越しで餃子を食べることは、富をもたらすというおめでたい意味もある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月26日 |