陝西省西安にある秦始皇帝兵馬俑の1号坑では3日、3回目の発掘作業がスタートし、多くの貴重な文化財が見つかった。
1.寄り添う2台の戦車
「G9」では四匹の馬に引かれる戦車2台が、寄り添った形で発見された。こうした状況での発見は、兵馬俑の考古学上では初めてだ。
2.彩色が残る武士俑
兵馬俑の残片や甲冑の腕の部分には赤い色の彩色が残っているのが発見された。また別の「G10」では保存状態のよい武士俑が発見され、穏やかな顔で頭には髪を結い八の字のひげがある。この武士俑の顔の半分には彩色が残っており、胴体の部分に彩色が残っている可能性は非常に高い。
1号坑は水に浸かったり燃やされたりしたことがあるため、完全な形での彩色俑出土の可能性は低いが、身分が高い将軍の俑に彩色が残っている可能性があり、考古学者はこの2つの彩色武士俑の発見は1号坑に大規模な彩色兵馬俑の軍隊があったことを示していると話す。
3.彩色された漆の木の環
「T23」では大きな漆の木の環が発見され、その上には赤や緑で描かれた彩色画が残っており、千年を経た今もその色は非常に鮮やかだ。
彩色画を保護し空気に触れて色が落ちるのを防ぐために、この木の環にはすぐに保護剤が吹きつけられ、薄い膜のビニールで覆われた。そして木の環が見つかった場所の土と一緒に石膏で固めて実験室に送られることになっている。
4.青銅製の矢じり
木の環が発見されたすぐそばでは、長さ10センチの矢じりも見つかった。この矢じりは今でも非常に鋭利だ。
1号坑ではこれまで2回の発掘が行なわれ1万点以上の兵器が出土しているが、この矢じりの発見はさらに多くの兵器が埋まっていることを示しているという。
5.150体の兵馬俑が出土する可能性
兵馬俑の配置から考えると、「T23」では兵馬俑150体、馬車2台、馬8匹が埋まっている可能性があるという。
今までの発掘で得た彩色や土遺跡の保護、カビ防止の技術などは、今後の文化財保護に大いに活かされるだろう。また今回の発掘作業は観光客にも公開されており、発掘の過程を見学できるようになっている。
「チャイナネット」 2009年6月15日