ヤオ族には多くの支系があり、分布も広く、その70%が広西チワン族自治区域内で暮らしている。
『黄泥鼓踊り』
祭祀踊りの1種。毎年の収穫の季節の「盤王祭」を祝う時、ヤオ族の人々は必ず『黄泥鼓踊り』を踊ることになっている。ヤオ族の「黄泥鼓」(長い太鼓)には2種類があり、1種は胴体が太くて重い「メス太鼓」であり、いま1種は胴体が細く痩せて軽便な「オス太鼓」である。踊りの始まりは、まず「メス太鼓」をぶらさげている1人と「オス太鼓」をぶらさげている4人の太鼓たたきが「メス太鼓」に音頭で音色の異なる長い太鼓をたたきながら祭祀の場に一列になってやって来る。彼らは供物台をめぐって何週も太鼓を叩いて演奏し、そのあと周りの「オス太鼓」は「メス太鼓」をめぐっておごそかで、古めかしくてスローモーションの『黄泥鼓踊り』(長い太鼓の踊り)を踊り始める。「オス太鼓」をぶら下げている4人の太鼓たたきは太鼓をたたきながら、動作の大きな、跳躍性の強いさまざまなステップをくり返し、交錯させて踊る。「オス太鼓」の造型は軽便かつ敏活で、踊りの姿は弾力性があって変化に富む。「メス太鼓」は胴体が大きくて重く、踊りにくいため、踊りの中での役割は主にリズムをたたき出すことである。たたき方から言って、「オス太鼓」は両手の指、掌で異なるリズムと速度で太鼓両端の皮を張ったところをたたき、澄んだ、快く響き渡る高い音をたたき出す。「メス太鼓」は右手で長くて薄い割り竹を持って、左手の掌で太鼓の両端の皮を張ったところを交互にたたき、音色の異なったよく響く、厚みのある低音をたたき出す。『黄泥鼓踊り』の全過程は終始「メス太鼓」を中心とし、「オス太鼓」は「メス太鼓」をめぐって叩きながら踊るのである。
「チャイナネット」2005年6月10日