オロチョン族は中国北東部の興安嶺、フロンベイル大草原とエルグナ川流域の森林地域に暮らしている。
オロチョン族は明るい性格の持主が多く、包容力があり、歌と踊りが好きな民族である。彼らの民謡の多くは自分たちが創作して自分たちが歌う即興的なものであり、その踊りの内容と動作も暮らしている地域と生活様式が異なるため、動物の動きと人間の生活の動作を真似ることを主とするものである。
『熊闘踊り』(クマのつかみ合いの踊り)
黒いクマはオロチョン族の敬慕するトーテムである。お年寄りや子供たちを問わず、みんなよく知っているとともに踊ることのできる『熊闘踊り』はオロチョン族の人々の大好きなゲームのような踊りの一つである。『熊闘踊り』は一般は3人で一つのグループを作って踊り、動作は非常に簡単で、参加者は両手がそれぞれやや曲がっている両膝に支えられて、口ではたえず「ハム!ハム!」というクマの吠える声を真似る。初めにまず二人がクマの姿に扮し、頭と肩を揺れ動かしながら相手を襲い、続いていま一匹の「クマ」も同じ姿で踊りに入り、二匹の死にもの狂いで噛みつき合っている「クマ」の動きを止め、引き分けになるようにするのである。
『樹鶏踊り』
オロチョン族のいま一つの踊りである『樹鶏踊り』もこの上なく情趣に満ちたもので、いかなる人でも、特に子供が参加するコンクール類のゲームのような踊りである。初めに参加者は横向きに列を作って、深くしゃがんで、両手を両膝の上に置く。審判は起点から約10メートル離れたところで判断を下す。命令を下すと、起点にいる人たちはまず口を揃えて「最も先に終点に着く人はシカであり、途中で逃げるものはウサギであり、半分踊って笑ったら、臭ったスモモとなり、一番後ろに残るものこそ肥えた、おろかな、怠けものの樹鶏(ニワトリの一種)だ!」と歌う。歌い終ると、踊り手たちは両足で力をつけて終点へ跳躍していく。前で跳躍している優秀な者は途中で両腕を上下に揺り動かしたり、急に跳躍したり、旋回したりするなどの姿勢で「樹鶏」の動きを真似、それによって自分の能力を示し、後に残っているものをからかうのである。
『イハレン踊り』
オロチョン族は狩猟の収獲が多いことを祝う時に、必ず狩猟のプロセスを真似た『イハレン踊り』を踊ることになる。この踊りは二人または多数の人で踊ることができ、踊りの最初の半分は参加者が狩猟過程で馬を曳き、馬にムチを当てて進ませる、眺める、馬を降りる、射撃する、獲物を集める、住んでいるところに帰るなどのシリーズの動作を真似、それから、現場にいるすべての人が美しい歌声に合わせて輪を作って時計の針が左へ回るように横へ進みながら踊り、それによって調和のとれた生活と喜びの気持ちを表わすのである。
「チャイナネット」2005年6月10日