吹奏楽器の一つである。考古学者の考証によると、塤は先史時代に生まれたもので、初めて出土したものは西安の半坡遺跡からで、この遺跡は約7000年前の繁栄した母系氏族社会の人類の文明のものである。原始社会の塤は形態が多種多様で、きめ細かい泥を材料とした手づくりのもので、約6000年の歴史がある。
塤の音色は深みがあり、もの悲しくて婉曲で、延々と絶えることなく、ユニークな特色がある。塤にはこうした特殊な音色があるため、昔の人たちははじめて長期にわたる芸術的感受性との比較の中で塤の演奏に神聖な、優雅な、神秘的な、高貴な精神的気質を備えさせるに至ったのかも知れない。
現代の人々は塤の音量を高めるため、古代の六孔塤を基礎としてその肩の部分と台を拡張し、九孔陶塤(音孔は八つ、前に六つ、後ろに二つ、そのほかに吹く穴が一つある)を開発した。指を敏しょうに動かして演奏を行えるようにし、複雑な交差的な運指法をできるだけ少くするため、音の穴は笛の音の穴の順序に照らして開けているのである。この塤を使って、プロの演奏者は26音、二つのオクターブ以内の全部の半音と倍音一つを吹くことができる。運指法においてはビリアート、打音、抹音(なでるような音)などのテクニックがある。九孔紫陶塤は今日の中国の民族楽隊の中で普遍的に使われている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月26日 |