熱瓦甫(ネワプ)  
 
ネワプは中国の新疆ウイグル自治区のウイグル族、ウズベク族、タジク族などの少数民族の居住地域でよく使われている弾奏楽器である。その形態・構造、使われている地域や調子を合わせる方法によって、一般にカシュガル・ネワプ、ウズベク・ネワプとドラン・ネワプなどに分かれている。

カシュガル・ネワプは主にカシュガルなどの新疆南部のウイグル族地域でよく使われており、琴体の長さは130センチ、共鳴箱は半球形を呈し、その上にヒツジの皮またはウワバミの皮を張っている。琴の頭部は後ろへ曲がり、指板の上に28の絹糸弦品位が縛ってあり、12平均率で並んでおり、主弦1本、共鳴弦4-7本を張っている。演奏の際、左手で琴を抱えて胸の前で横にし、右腕で共鳴箱を支え、右手で撥(ばち)を持って弾きながら左手で弦を押さえる。弾き方には単弾、双弾、滾弾と掃弾などがある。

ウズベク・ネワプはカシュガル・ネワプを改良して作ったものであり、琴体を短くし、共鳴箱を大きくし、共鳴弦は使われないことになり、5本の金属弦を張り、これは銅質の音品を使い、中弦と外弦はそれぞれ2本で、いずれも1音を発し、裏弦は1本である。弦と弦の間の距離はかなり大きく、いずれも曲を演奏し、コードすることもできる。

ドラン・ネワプは新疆南部のマイガティ、バツゥ、サチェなどの地域でよく使われている。共鳴箱はひょうたんの実の形、円形などまちまちである。体積はかなり大きく、琴の首は短くて太く、指板はかなり広いもので、いずれも金属弦を使っており、弦の数は地域によって異なる。よく見かけるドラン・ネワプは3本の弾奏弦、5-7本の共鳴弦がついている。演奏の際、琴を左のふとももの上に置き、右手で琴を支えながら弦を押さえ、左手で撥を持って弾奏する。

ネワプは独奏、合奏と伴奏によく使われている。著名な伝統的ネワプ楽曲には「シャディヤナェ」、「タシュワイ」、「グンディパイ」などがあり、創作楽曲には「私のネワプ」などがある。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年3月26日