日本人俳優「南京!南京!」出演で多くの涙②

発信時間: 2009-05-11 | チャイナネット

毎日、戦争中のような雰囲気

「どの都市に行っても緊張していました。でも多くの人たちが応援してくれるのを見て本当にうれしかった」。これは中泉さんが試写会に出た時の率直な気持ちだ。

演技をしている時の中泉さんの心は綱引きのようで、「戦っているかのように心が疲れていました。撮影中は、一体いつ終わるのかと常に思っていましたし、出演者全員も毎日戦争中のような雰囲気の中で、私も一人の人間として感情がありますからとても辛かった」と話す。

日本人兵士・角川の目を通して、中泉さんは当時の角川が経験した全てを経験した。角川は臆病で敏感な人間だ。これから生きていくなら一生、その苦しみに耐えなければならない。しかしそれができず結局、自殺を選んだ。「角川の心は非常に辛く、自殺が最も簡単な方法だったのかもしれません」

出演は正しい選択

中泉さんがほっとしたことは、この映画を見た多くの観客が「南京!南京!」を評価していることだ。「この映画に出るために、多くの史料を参考にし、中国の人がどうしてこんなに憤っているのか理解しました。今やっと私は、この映画の出演は正しい選択だったということが分かりました。私たちは映画という形を通してこの時代の歴史を振り、みんなに警告し、再びこうした歴史が繰り返されないようにしなければなりません。本当に世界の平和を願っています」

中泉さんはこの映画に出演したことを後悔していない。もしこの映画が日本で公開されれば、自分の親友にもすすめるという。今後の日本での俳優活動に影響があるのではないかという質問に対しては、ユーモラスにこう話す。

「もともと出演した作品は多くなかったし、この映画に出たために他の作品に誘われなくなるということもないでしょう。こうした問題は、事前に多くのことを考えることはできません。後で考えるしかないのです。今回の出演で中国の映画界の人たちが優秀だとを知りました。ですからこれからは中国でがんばりたいと思っています」

家族などへの影響を考えて映画のPRは辞退

各都市で行なわれる試写会が終わると、必ず泣いてしまうという中泉さん。それは映画のシーンや観客の冷淡さや情熱あふれる反応に耐えられないためで、この若い日本人俳優は、撮影中から撮影後も泣き続けており、今まさにある懲罰を受けているかのようだ。

そんな中泉さんのストレスも日増しに大きくなり、次の数カ所の都市で行なわれる映画のPRを辞退した。どの都市に行っても彼の歴史への理解が問われ、その回答で家族や親友が影響を受けることを心配したからだ。そこで中泉さんは、「南京!南京!」の撮影が行われた長春で中国語の勉強を始めることに決めた。

中泉さんのほかにも何人か日本人俳優がこの映画に出演している。試写会に出る彼らは本当に勇敢だ。

「チャイナネット」2009年5月11日