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臥竜自然保護区管理局局長:保護区再建に20億元必要
発信時間: 2009-05-06 | チャイナネット

四川省汶川県の大地震発生から5月12日で1年を迎えるが、同省臥竜自然保護区は全面的復興・再建への歩みを加速させている。地震発生当初、保護区は外部と隔絶された状態にあった。こうした中、保護区は壊滅的被害をもたらした地震からどのような影響や打撃を受けたのか、また、再建計画はどのように制定され、その資金は確保されているのかといった問題について、保護区管理局の張和民局長に対し取材を行った。

 

保護区の7%が壊滅的被害、全体損失額19億4700万元に

張局長は臥竜自然保護区について以下のように説明した。保護区は四川省汶川県南西部に位置し、震源地周辺地域にあることから、地震発生直後に起こった山崩れや地割れにより、植生、森林、河川、田畑、および交通・水道・電気・通信などのインフラがいずれも多大な被害を受けた。保護区全体面積の約7%が壊滅的被害を受け、これらの地域に海抜2500メートル以下のパンダの「生息地コリドール(生息地をつなぐ帯状の自然区画)」が主に集中していることから、パンダの生息環境は深刻な被害を受け、生存が脅かされることになった。こうした被害の長期的な影響について、研究スタッフはさらに踏み込んだ科学的考察を行っている。

資料写真

また、地震で多くのスタッフとパンダが死傷した。保護区所属スタッフから、死亡者47名、行方不明者6名、重傷者35名、軽傷者若干名を出した。省道303号線沿いで多くのスタッフが生き埋めとなり、死亡者数は82名と確定されている。飼育舎で育てられていたパンダは「毛毛」が死亡したほか、1匹が負傷し、1匹が行方不明となった(ただし野生パンダの死傷例は見つかっていない)。

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さらに、地震によって交通・通信・水道・電力などのインフラが分断され、ほとんどの公共施設が損壊した。4万3387平方メートルで建物が全倒壊または倒壊の危険性が高い状態となり、98%以上の民家が倒壊またはその危険性が高い状態となったほか、インフラが深刻な被害を受けたことから、保護区全体の経済的損失は19億4700万元に上った。

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加えて、パンダの飼育舎32棟のうち14棟が埋没または倒壊し、残りの18棟も深刻な損害を被ったほか、香港の海洋公園の寄付で建設されたパンダ医院も倒壊の恐れがあり、全てのパンダは程度の差こそあれ危険にさらされることになった。また、パンダの個体群密度が急増したことから食料不足が深刻化し、生存環境は危機に直面したという。

だが、張局長は「臥竜保護区のスタッフはこうした困難にひるむことはありませんでした」と話す。地震発生後、保護区のスタッフは危険に直面しても勇敢にパンダ救出に力を尽くし、取り残された観光客を救助し2000人余りを避難させ、被害を最小限に食い止めた。また、各方面から支援を受け、スタッフは自力更生の精神に基づき、素晴らしい保護区の再建に向け取り組み始めたという。

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