中国国家環境保護総局と日本の外務省・環境省はこのほど北京で、国交正常化30周年を記念して中日環境協力週間のイベントを開催した。中国、日本、韓国、モンゴルの代表が黄砂問題について話し合った。国家環境保護総局・黄砂問題担当責任者の全浩氏は「ここ数年被害が深刻化している中国北部・東部地区、韓国、日本での黄砂は、中国とモンゴルの国境付近で発生し、中国華北・東北地区を通過して韓国や日本に飛んでいる。中国の専門家は、東アジア黄砂観測ネットワークを整備し、科学的に発生地点を観測することで、各地が協力して黄砂の追跡観測を行うことを提案している」と述べた。
環境省地球環境局環境保全対策課の鈴木克徳課長氏は「黄砂の研究は、多国間の協力がなければ難しい。東アジア全体で研究を行っていくことが不可欠だ」と強調したうえで、協力の際に中・長期目標と全体的な計画を立て、各国間、各政府部門間が盛んに協力すれば、研究データの共有が可能になると述べた。鈴木氏によると、国連関連機関とアジア開発銀行の支援により現在、中国、日本、韓国、モンゴルの4カ国で砂漠化対策に必要な情報が収集されているほか、2003〜2010年の砂漠化対策の基本計画を作成準備が進められている。そのための事前調査が2002年11月から2003年12月にかけて、100万ドルの資金を投入して行われる予定。
「人民網日本語版」2002年10月28日