約3年間、続けられた中国表土流失と生態安全総合科学の調査を行ったグループが20日、調査結果を発表した。その中では中国の表土流失面積は356万92平方キロメートルに上り、水による侵食面積は161万22平方キロメートル、風による侵食面積は195万70平方キロメートルと、表土流失が中国の経済発展に与える影響は多方面にわたるとしている。　

水利部の陳雷部長は、科学視察総括会で以下のように述べた。

「今回の調査は中国成立以来、領域や規模、範囲が最も広く、参加した人も最多で、総合的な科学調査だった。調査の結果、中国の表土流失には3つの特徴がある。一つは表土流失の面積や分布範囲が広いことだ。そして表土流失は農村地域だけでなく、都市部や鉱山でも発生しており、ほとんど全ての流域や各省で起こっている」　

「二つ目は流失量が多く、侵食が深刻な地域の割合が多い。中国の年平均の土壌侵食量は45億2000万トン。主要な河川の年平均の土壌侵食量は毎年１平方キロメートル当たり3400トンだが、一部の地域では毎年１平方キロメートル当たり3万トンに超え、侵食量は土壌が許す流失量を超えている。土壌の侵食が深刻なインドや日本、米国、オーストラリアなどと比べてもかなり深刻な状況だ」　

「三つ目は、流失の原因が複雑で、地域差が顕著なことだ。東北黒土地帯、北方土石山地帯、黄土高原地帯、長江上流や西南川地帯、北方の農業と畜産業が交錯する地帯などの自然や経済発展の状況はそれぞれ異なり、表土流失の主要な原因や与える危害、整備の重点も違っている」　

「専門家の研究では、現在の流失スピードだと、50年後には東北黒土地帯の1400万ムー（1ムーは6.667アール）の黒土層が流失し、食糧生産高は約40%減少する。35年後には西南燕岩溶地域の砂漠化面積が倍増し、その時には約1億人の生存と発展の基盤が失われる。2000年のデータを基に専門家が分析すると、表土流失が国家に与える経済損失は最低でも2000億元に上り、2000年の全国GDPの2.25％に相当するという」

「チャイナネット」2008年11月21日