中国が計画している1基目の1000万キロワット級風力発電基地の建設について、記者が甘粛省酒泉市で調査を行ったところ、電力網併合とピークシフト電源の建設が風力発電の発展に2つのボトルネックとして立ちはだかっていることがわかった。新華社のウェブサイト「新華網」が12日に伝えた。
酒泉市は甘粛省電力網の末端に位置し、電力網のグリッドが弱いため、現在の110キロワットと330キロワットの電力網では大規模な風力発電の出力をまかなえない。すでに稼動している一部の風力発電所でも満負荷で発電できていない状況だ。
酒泉市の管轄下にある玉門市では、電力出力に関わる制限が地元の風力発電の発展を制約する問題となっている。地元の発展改革委員会の紹介によると、玉門市の電力出力は主に330キロワット送電線に依拠しており、風力発電の送電量は設計の50%前後にとどまり、すでに稼動した風力発電所が満負荷で発電できていない状況に陥っているという。玉門市はこの数年で、251万キロワットの風力発電、400万キロワットの火力発電、200兆ワットの太陽光発電、300万キロワットの原子力発電開発プロジェクトを相次ぎ実施する計画であることから、電力出力の問題は日増しに浮き彫りになってくる。
風力発電は安定性に欠けることから、電力網と電力供給の安定性を確保するためにも、ピークシフト電源を建設する必要がある。風力発電とその他の発電のピークシフトの比率が1:2という専門家が出した結果に照らすと、1000万キロワットの風力発電を建設すれば、理論的には2000万キロワットのピークシフト電源による調整が必要になる。しかも、風力発電所におけるピークシフトがより合理的とされる。しかし酒泉市の現在の火力発電装置と水力発電装置の容量で風力発電のピークシフトの需要を満たすのは不可能な状況だ。
「人民網日本語版」2009年7月13日 |