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中国に動物学者はいるが、自然学者が不足
発信時間: 2009-08-03 | チャイナネット

作者:フィル・チャップマン(英BBCの自然史ドキュメンタリー『錦綉中国』プロデューサー)

『錦綉中国(ワイルドチャイナ)』制作陣は、中国で16カ月にわたり撮影を行い、訪れる人が少ないチベットや青海、新疆、雲南、甘粛、陝西、黒竜江などの荒野、そのほか14の省・市の野生動植物と風景の保護区を訪れた。

西側メディアは、中国にこのようなイメージを抱いている。国土が広い(面積は英国の約40倍)、世界の人口の4分の1が生活する(人口13億人超)、都市部の人口が非常に多い、周囲には汚染が深刻な巨大な工業地域と農村がある。そのほか、中国は野生動物が生息するのに適さない場所で、南方地区には「空を飛ぶものは飛行機以外、4本足のものは机以外何でも食べる」という有名なことわざまであると聞いたことがある。しかも「食材」とならなかった物は、最終的に「漢方薬」となる可能性も大いにある。

しかし現実はもっとよく、当然のことながら中国は自然が豊富な国ではなく、ひどいというわけでもない。英国では、数百年前の人類活動により多くの巨型動物類が絶滅している。中国はこの点においてはまだましで、世界の8%を占める約534種の哺乳動物が生息する。鳥類資源はかなり豊富で1300種を超え、魚類も2200種を超える。

協力パートナーであるCTV(中国電視)のサポートがあり、私たちは自然資源が集中する多くの保護区に立ち入ることができた。これらの地域は中国の領土の15%に及び、英国の6倍も広い。しかし、保護は中国の野生動植物が破壊されないことを保証するものではない。多くの保護区ではスタッフが不足し、設備が悪く、専門的な知識や技術も不十分であり、このような場所で野生動物を探し、撮影することはすべてがうまくいくというわけでないことを意味している。中国には多くの動物学者がいるが、動物の行動や習性に興味を持つ自然学者は少ない。

若い中国の研究家や翻訳者団体が、当地の自然史についての情報を得ることは容易でない。例えば、田蛙(中国でよく見かける動物)を撮影したいとき、田蛙がいる場所と時間を知っている人が誰もいなければ何日もかかることになり、田んぼを通り、蛙の鳴き声に耳を傾けなければならない。過去50年間、野生動植物のドキュメンタリーが西欧人の大自然やその保護に対する態度を変え、重要な役割を果たしている。しかし中国では、自然史のドキュメンタリーはまだ初期段階にある。私たちは、ドキュメンタリー『錦綉中国(ワイルドチャイナ)』が中国で放送された時、中国の人たちが自分たちの農村や野生動物に対し誇りと関心を持ち、保護に役立つことを望んでいる。

「チャイナネット」 2009年8月3日

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